信用保証協会

信用保証協会について

信用保証協会は、昭和28年の信用保証協会法に基づき設立された認可法人です。中小企業が市中金融機関から融資を受ける際、その債務を保証する役割を果たしています。具体的には、金融機関に対して中小企業の信用を補完することで、資金調達の円滑化を図り、経済活動を支援することを目的としています。

概要

中小企業が市中金融機関から融資を得る際、大企業と比較して成長性や経営リスクの観点から不利な立場に置かれることが一般的です。ややもすると、融資を受けることが困難になったり、条件が厳しくなったりすることが多いのです。これを解消するために、信用保証協会は中小企業からの依頼に基づき、金融機関に対して信用保証を行います。金融機関はこの保証を利用して、中小企業への融資を行うことができ、信用保証協会はその見返りとして保証料を受け取ります。

万が一、保証された中小企業が返済困難に陥った場合、金融機関は協会に代位弁済を請求することができ、その後協会が企業や連帯保証人に代わって債権回収を行います。また、代位弁済が行われると、中小企業信用保険法に基づく保険事故が発生し、株式会社日本政策[[金融公庫]]から保険金が支払われる仕組みになっています。

日本国内では、各都道府県に一つ、また特定の市にも信用保証協会が設立されており、全国で51の協会が活動しています。関連企業として、債権回収を行う保証協会債権回収株式会社が存在しますが、近年その受任が減少しています。また、同様の信用保証制度は各国にも見られ、アメリカやイギリスなどでもこの仕組みが採用されています。

中小企業信用保険との関係

信用保証協会は、日本政策[[金融公庫]]との再保険契約を結んでおり、代位弁済が発生した際には所定の保険金を受け取る仕組みが構築されています。これにより、保証契約に対して保険料が支払い、効果的な資金調達支援が行われています。

連帯保証人問題

信用保証協会は企業の融資において連帯保証人を求めることが一般的です。これにより企業経営者の親族が連帯保証人になってしまうことが多く、これが社会問題となっていました。中小企業庁はこの問題に対処するため、連帯保証人を徴求しない原則を示した通達を発出しました。

天下り法人との指摘

全国の信用保証協会の多くの会長や理事長が地方公務員からの天下りで占められているとの指摘もあり、行政との関係の透明性が求められています。

沿革

信用保証協会の歴史は古く、1937年に東京信用保証協会が設立され、以降各地で組織が形成されました。1970年代以降も様々な制度が導入され、最近では経済の変化に応じた新たな保証制度が次々と創設されてきています。代表的な制度には、東日本大震災復興緊急保証制度やセーフティネット保証制度があり、中小企業のニーズに応じた柔軟な支援が行われています。

主な保証制度

• - 東日本大震災復興緊急保証制度（2011年5月23日 - ）
• - セーフティネット保証制度
• - 資金繰り円滑化借換保証制度
• - 売掛債権担保融資保証制度（2001年12月17日 - 2007年8月5日）
• - 流動資産担保融資保証制度（2007年8月6日 - ）

信用保証協会は、今後も中小企業の安定した成長を支援し、経済の活性化に寄与する存在であり続けることでしょう。

もう一度検索