信貴山駅

信貴山駅の概要と歴史

信貴山駅（しぎさんえき）は、奈良県生駒郡三郷町に位置していた近畿日本鉄道の東信貴鋼索線の駅です。この駅はかつて多くの乗客を迎え入れていましたが、今はその姿を消しています。駅舎は頭端式のホームではなく、ホームの横に設けられていました。そのため、自動券売機を備えておらず、乗車券はすべて窓口で販売されていました。

駅の近くには信貴山朝護孫子寺があり、この立地は西側斜面の西信貴鋼索線の高安山駅と比べて非常に有利でした。しかしながら、西信貴鋼索線は開業当初から、大阪中心部へ直通する路線があり、そのために多くの人々はその路線へ流れ、信貴山駅の地理的優位性を生かすことができませんでした。結局、駅はその運命を路線共々共有し、1983年に廃止されることとなりました。

駅の歴史

信貴山駅は、1922年5月16日に信貴生駒電気鉄道鋼索線の駅として開業しました。その後、1964年には近畿日本鉄道が信貴生駒電鉄を合併し、近鉄東信貴鋼索線の一部となりました。再び時が流れ、1983年9月1日には東信貴鋼索線が廃止となり、信貴山駅もその運命を辿りました。

廃止後の駅の状況

現在、信貴山駅の跡地には駅舎が残っており、奈良交通の信貴山バスターミナルとして活用されています。多くの路線バスが信貴山門まで運行されており、以前のホームがあった場所には停留所も設けられています。このため、バスの発着が旧駅の位置で行われているのです。

駅舎は待合室として使用されており、内部には近鉄の古い路線図も今なお残っています。旧ホーム側はかなり改変されていますが、駅前部分は現役時代と大きく変わっていません。「信貴山駅」という名称は、他の駅で混同されることがあるため、一部注意が必要です。

その他の情報

信貴線の「信貴山口駅」と生駒線の「信貴山下駅」との名称が混同されることがあり、これにより混乱することがあります。ただし、「信貴山駅」という名を持つのは、他に知名度のある駅は存在しないため、ここだけの特徴です。駅の利用が終わった後も、汲み取り式の公衆トイレなどが残されています。

信貴山駅は、その歴史や利用状況、現在の形が転用されていることからも、地域の交通の変遷を物語っています。多くの人々の記憶に残るこの場所が、今後も地域の名所として愛されていくことを願っています。

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