修城禁火司

修城禁火司（スソングムファサ）について

修城禁火司は、李氏朝鮮時代における重要な官庁であり、主に建設と消防の機能を担っていました。この機関は、1426年（世宗8年）の設立に至るまでに、禁火都監と城門都監の二つの官庁が統合されて誕生しました。設立された日付が特に重視されており、世宗大王の治世における重要な決定の一環として位置づけられています。この官庁の基本的な役割は、都市の構造を守るための建設や修理、さらには火災や泥棒などの事件に対処することでした。

しかし、修城禁火司の活動は、実際には事件の収拾、特に火事や泥棒の被害を最小限に抑えることが中心であったということが、『世宗実録』に示されています。このような背景には、当時の漢陽（現・ソウル）の火災の多発が影響しており、住民たちがしばしば痛烈な被害を被ることがありました。特に、1426年2月15日に発生した大規模な火災は官庁や民間の多くの建物を焼失させる結果となり、民衆にとって深刻な事態でした。

この火事の影響は甚大で、逃げ遅れた人々は私財を失うほどの被害を被りました。その結果、世宗大王は火災対策のための専任機関として修城禁火司を設立する必要性を強く感じたとされています。以降も、この機関は火災の発生を抑えるための施策を実施し、時代を経ていくことになりました。

ところが、1460年（世祖6年）、官庁の効率化を図るために修城禁火司は廃止されました。当時の大幅な人事削減や不要な官庁の整理の一環でした。廃止された際には、建設の機能が工曹に移管され、消防の機能は漢城府に移行されていきました。この決定の背景には、35年の間に特筆すべき大規模な建設や消防事業がなかったことも影響しています。

その後、成宗の時代に入ると火事の発生頻度が再び増加し始めました。1481年（成宗12年）3月には、臣下からの上奏により改めて禁火都監が創設され、その後、修城禁火司として格上げされることとなります。これにより、再び火災に対して専任で対応できる機関が設けられることで、国民の安全が保障されるよう努力されました。

修城禁火司の設立と廃止、再設立の歴史は、当時の社会情勢や火災の影響を背景にしており、都市の発展とともに変容していった官庁の一例として非常に興味深いものです。国や地方の安全を守るための取り組みとして、その役割は時代を通じて重要であったことが伺えます。

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