漢城府

漢城府（かんじょうふ）

漢城府は、李氏朝鮮時代の首都であり、その名前は統治機関を指します。元々の名称は漢陽府であり、後に京城府とも呼ばれ、現在の韓国・ソウル特別市にあたります。

概要

1394年の11月26日、李氏朝鮮の太祖である李成桂によって、開京（開城）から漢陽へと遷都されました。1395年、遷都から約半年後、漢陽府は正式に漢城府と改称されました。この時、宮殿や官庁が新たに設けられ、当時の住民は見州に移され、楊州郡として再編成されました。遷都の際、人口は約10万人に達し、成長を見せました。

太祖は漢陽の防衛策として、北岳山、駱山、南山、仁旺山を結ぶ約17kmの城壁を築きました。この城壁は1395年に完成し、以降500年間にわたって使用されました。城壁の内側は「宮城」と呼ばれ、すべての土地が国有地とされ、官庁、宮殿、道路、下水道、市場などが整然と配置されていました。また、城外は城壁から四方それぞれ10里の地域が定められており、北は北漢山、南は漢江、東は楊州松溪院・大峴・中浪浦、西は楊花渡・高陽徳水院、沙川のそばの蘭芝島付近にまで及んでいました。

2005年ごろまで、中国語圏ではソウルを表す漢字として「漢城」が用いられていました。これにより、漢城府の名は地域の象徴として広く認知されていました。

歴史

漢城府の行政区画は非常に整備されており、都城は東西南北中部の五部に分かれ、その下には坊・契・洞が設けられました。『大東地誌』に記されているように、各部には多数の坊が存在していました。

• - 東部には12坊があり、燕喜坊、崇教坊、泉達坊などがありました。
• - 南部は14坊あり、広通坊、会賢坊、明礼坊などが含まれます。
• - 西部は10坊の仁達坊、積善坊、余慶坊などです。
• - 北部には10坊があり、広化坊や陽徳坊などが含まれました。
• - 中部は8坊に分かれ、貞善坊、慶幸坊などがありました。

さらに、漢城府は二十三府制に基づく行政区画が整っており、主な行政区域には漢城郡（府庁所在地）をはじめとし、楊州郡や広州郡、積城郡、抱川郡、永平郡、加平郡、漣川郡、高陽郡、坡州郡、交河郡などがありました。これにより、当に多様な地域ほか、広範な行政管理が可能でした。

漢城府の歴史は、李氏朝鮮時代の政治や文化、さらには地域社会の形成において非常に重要な役割を果たしました。

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