俺の彼女のウラオモテ

俺の彼女のウラオモテ

『俺の彼女のウラオモテ』は、アダルトゲームブランドAriesによって開発され、2012年4月26日にPC向けに発売された恋愛アドベンチャーゲームです。その後、2013年3月27日にはPlayStation Portable版『俺の彼女のウラオモテ〜Pure Sweet Heart〜』がアルケミスト（現：加賀クリエイト）より、2014年4月25日にはスマートフォン版が萌えAPPよりリリースされました。これらの移植版では、新たなキャラクターやイベントCGが追加されており、PC版をプレイした人も新鮮な気持ちで楽しむことができます。

物語のあらすじ

物語は、主人公である高校生・上杉孝也の視点で展開されます。孝也は、学園のアイドル的存在である天原みやびに憧れており、彼女に近づくために学園祭の実行委員会に参加することを決意します。しかし、予期せぬ出来事が孝也とみやびの関係を大きく変えることになります。それは、孝也の父親と、みやびの母親が再婚することになったという事実です。これにより、二人は突然、義理の姉弟という家族関係になります。

憧れの人が身近な存在になったことに驚きつつも喜びを感じる孝也でしたが、共に生活を始める中で、学園での完璧な姿からは想像もできないほど、みやびがだらしない一面を持っていることを知ります。この大きなギャップに孝也は戸惑いを覚えます。

孝也の周囲には、みやびだけでなく、それぞれに「ウラオモテ」を持つ魅力的なヒロインたちがいます。幼馴染で飾らない性格の都宮なづき、普段は冷たい態度を取りながらも内心では孝也に甘えたいと思っている妹の上杉朱乃、そして、お嬢様然としていながら意外な素顔を持つ転校生、鳴ヶ崎カンナ。さらに、コンシューマ版で加わった円谷ミユキも、状況によって全く異なる姿を見せるキャラクターです。

個性豊かなヒロインたちの隠された一面に触れながら、孝也の高校生活最後の夏が賑やかに、そして特別な時間として始まります。物語は、彼女たちとの交流を通して、それぞれの「ウラオモテ」に隠された本心や、関係性の変化を描いていきます。

登場人物

本作を彩る主要なキャラクターたちを紹介します（声優はPC版 / 移植版の順）。

上杉 孝也（うえすぎ たかや）：物語の主人公。平凡ながらも誠実な高校生。父親の再婚を機に、個性的なヒロインたちとの複雑な関係に巻き込まれていきます。
天原 みやび（あまはら みやび）：(声: 水霧けいと / 同左) 孝也の同級生であり、後に義理の姉となるヒロイン。学園では才色兼備の生徒会長として人気を集めますが、自宅では自堕落な生活を送るという、最も顕著な「ウラオモテ」を持つ人物です。
都宮 なづき（とみや なづき）：(声: 上田朱音 / 同左) 孝也の幼馴染で同級生。明るく社交的で誰からも好かれますが、時々思わぬドジをしてしまう可愛らしい一面も。孝也のことを「たっくん」と呼び、親しんでいます。
上杉 朱乃（うえすぎ あけの）：(声: 桃井穂美 / 儀武ゆう子) 孝也の妹。バスケ部のエースとして活躍する勝気でしっかり者ですが、兄である孝也の前では素直になれず、つい強がってしまうものの、内心では甘えたい気持ちを抱えています。
鳴ヶ崎 カンナ（なるがさき カンナ）：(声: 青葉りんご / 同左) 孝也たちのクラスに転校してきた少女。由緒ある神社の巫女を務めており、一見お嬢様然としていますが、実際には人見知りで不器用な一面を持っています。特徴的な黒い狐耳のような髪型をしています。
円谷 ミユキ（つぶらや ミユキ）：(声: 無 / 若林直美) コンシューマ版で追加されたヒロイン。気弱な少女「ミサト」として孝也と出会う一方で、朱乃の同級生「ミユキ」として元気で明るい姿も見せるなど、場面によって大きく印象が変わるキャラクターです。

このほか、孝也とみやびの親となる天原静音と上杉司、孝也の親友である伊達行人などが登場し、物語を脇から支えています。

制作スタッフと主題歌

本作の原画は有子瑶一氏、戌角柾氏、立羽氏が担当。魅力的なキャラクターデザインで作品世界を彩っています。シナリオは毘沙素氏、みなづきくれは氏らが手掛け、ヒロインたちの内面や人間関係を深く掘り下げた物語を紡ぎ出しています。BGMはproject lightsが担当し、場面ごとの雰囲気を巧みに演出しています。

PC版の主題歌「knowing」は真里歌氏が歌唱し、エンディングテーマおよび挿入歌としてはkaoru氏による「Only place」が使用されています。これらの楽曲が、作品のテーマである「ウラオモテ」や、高校最後の夏の切なさ、そして甘酸っぱい恋愛模様を盛り上げています。

作品の魅力

『俺の彼女のウラオモテ』の最大の魅力は、タイトルにもある「ウラオモテ」を持つヒロインたちです。学園での顔とプライベートでの顔、強気な態度と隠された本心など、キャラクターたちが持つ二面性を描くことで、プレイヤーは彼女たちの意外な一面を知り、より深く感情移入することができます。憧れの存在が家族になったことによる戸惑いと喜び、長年の幼馴染との関係性の変化、妹の隠された想い、そして新たな出会い。それぞれの関係性の中で描かれるドラマは、高校生活最後の夏という舞台と相まって、甘くも時に切ない物語を展開します。プレイヤーは主人公として、ヒロインたちの「ウラオモテ」のどちらに触れ、どのような関係を築いていくのかを選択し、物語を進めていきます。単なる恋愛描写に留まらず、家族や友人といった人間関係も描かれており、多角的に楽しめる作品となっています。

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