倉本さおり

倉本さおり：多角的な視点から文学を語る書評家

1979年東京都文京区生まれの倉本さおり氏は、日本の書評界で活躍する注目の人物です。お茶の水女子大学附属高等学校から上智大学へと進学し、同大学院で研鑽を積んだ経歴を持ちます。

その専門的な知識と鋭い洞察力を活かし、数々の媒体で書評を執筆。毎日新聞の文芸時評「私のおすすめ」や、小説に特化した雑誌『小説トリッパー』の「クロスレビュー」といった連載は、多くの読者から高い評価を得ています。また、『文藝』誌では自身の冠連載「はばたけ！くらもと偏愛編集室」を展開し、独自の視点から作品の魅力を伝えています。さらに、『週刊新潮』の「ベストセラー街道をゆく！」でも連載を持ち、ベストセラー作品の裏側や現代文学の動向を分析しています。

単発の寄稿も多く、2018年には『文學界』で新人小説月評、2015年には『週刊読書人』で文芸時評を担当するなど、その活動は多岐に渡ります。

執筆活動にとどまらず、ラジオ番組への出演も経験。TBSラジオの書評系番組「書評系叩き売りラジオ Banana」では、軽妙なトークと深い知識でリスナーを魅了しています。

著作活動も盛んで、アジア文学の魅力を紹介する編著『アジア文学の誘い』（春陽堂書店）では、自身の専門性を活かした選書と解説で、読者に新たな文学世界への扉を開いています。また、『世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代文学の今』（立東舎）では共著者と共に、現代文学を代表する賞を受賞した作品群を多角的に考察しています。これらの著作は、文学愛好家のみならず、広く一般読者にも高く評価されています。

さらに、倉本氏は他の書評家との交流も積極的に行っています。特に、『週刊読書人』で芥川賞をテーマにした小谷野敦氏との対談は、栗原裕一郎氏、小澤英実氏に続く貴重な記録として知られています。この対談を通して、倉本氏は自身の考えを明確に示し、文学界における存在感を示しました。

自身のTwitterアカウントでも積極的に情報発信を行うなど、現代のメディアを巧みに活用し、幅広い読者層と繋がる活動を展開しています。今後も、その類まれな洞察力と表現力で、日本の文学界に更なる貢献を期待される存在です。

このように、倉本さおり氏は書評家としての活動にとどまらず、ラジオパーソナリティ、編集者、著者など、多様な顔を持つマルチな才能の持ち主です。多角的な視点から文学作品を読み解き、独自の感性で魅力を伝え続ける彼女の活躍は、今後もますます注目を集めることでしょう。

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