倉田晃

倉田 晃（くらた あきら）氏は、1947年4月14日に福岡県で生まれた元プロ野球選手です。主に内野手として活躍し、プロ入り後には登録名を倉田 隆司（くらた たかし）と変更した時期もありました。彼の野球人生は、高校、大学、そしてプロ野球という各ステージで様々な経験を積んだ軌跡をたどります。

高校時代：博多工業高校での活躍

福岡県立博多工業高等学校に進学した倉田氏は、遊撃手としてチームの中心を担いました。特に、1964年には2年生ながら春の選抜高等学校野球大会に出場。エース橋本孝志投手を擁するチームは快進撃を続け、見事準決勝まで駒を進めました。しかし、準決勝では尾道商業高校と対戦しましたが、相手エース小川邦和投手の前に打線が沈黙し、惜しくも完封負けを喫しました。選抜での悔しさを胸に、同年6月に新潟県で開催された国民体育大会に臨んだ博多工業高校は、決勝で再び尾道商業高校と相まみえました。この決勝戦では見事に勝利を収め、チームに初の全国タイトルをもたらしました。高校時代の倉田氏は、守備の要としてだけでなく、勝負強い打撃でもチームに貢献しました。

大学時代：明治大学での輝き

高校卒業後、倉田氏は野球の名門である明治大学へ進学し、東京六大学野球リーグでプレーしました。大学時代もその才能を発揮し、特に1968年春季リーグでは打撃が覚醒。驚異的な打率.441をマークし、見事に首位打者のタイトルを獲得しました。また、1969年春季リーグでは、同期のエース古屋英雄投手や、1年下の好投手今井恒夫投手の活躍もあり、チームは8年ぶりとなるリーグ優勝を飾りました。この優勝に、倉田氏も主力選手として貢献しました。大学時代の同期には、後にプロ野球で活躍する外野手の小野寺重之氏らがいました。大学での経験を通じて、倉田氏はより高いレベルでの技術と精神力を培いました。

プロ野球へ：西鉄ライオンズでのキャリア

大学での実績が評価され、倉田氏は1969年のドラフト会議では指名されませんでしたが、ドラフト外でパシフィック・リーグの西鉄ライオンズ（現在の埼玉西武ライオンズの前身球団の一つ）に入団しました。プロ入り後は内野手として登録され、特に二塁手を中心にプレーしました。プロ2年目の1970年には、一軍での出場機会が増加。主に二塁手として32試合に出場し、打席に立ちました。同年5月には、二番打者として3試合に先発出場するなど、打順の上位を任される場面もありました。また、将来を期待される若手選手として、ジュニアオールスターゲームにも選出されました。しかし、残念ながらその後は一軍での出場機会になかなか恵まれず、厳しいプロの世界でレギュラーの座を掴むことは叶いませんでした。

登録名と背番号の変遷

プロ野球選手としてのキャリアにおいて、倉田氏は登録名と背番号に変更がありました。西鉄ライオンズに入団した1970年から1972年までの3年間は、「倉田 晃」としてプレーし、背番号は「2」を着用しました。プロ4年目となる1973年には、登録名を「倉田 隆司（くらた たかし）」へと変更。この年の背番号は「33」となりました。この登録名変更が、彼のプロ野球選手としての最終シーズンとなりました。

プロ野球からの引退

1973年シーズンをもって、倉田 隆司（旧登録名：倉田晃）氏はプロ野球選手としての現役生活に幕を下ろしました。高校時代に甲子園や国体で実績を残し、大学では首位打者となるなど輝かしいアマチュア時代を過ごしましたが、プロ野球ではその才能を十分に開花させることはできませんでした。しかし、短い期間ながらも一軍の舞台でプレーし、ジュニアオールスターにも選ばれるなど、確かにプロ野球選手としての足跡を残しました。福岡県出身の内野手として、彼の名前はプロ野球史の一頁に刻まれています。

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