倉羅バイパス

倉羅バイパスについて

倉羅バイパス（くららバイパス）は、徳島県吉野川市の美郷字古井と名西郡神山町の上分字名ヶ平を結ぶ、国道193号のバイパス道路です。このバイパスは、地域住民の生活道路として重要な役割を果たすとともに、徳島県の防災計画においても緊急輸送路として指定されています。しかし、倉羅峠区間はその線形不良や幅員の狭さが指摘されており、特に防災点検においては、落石の危険がある箇所が4カ所存在しています。

このような背景から、合計長さ3.5キロメートルのバイパス道路を整備する計画が進められています。このバイパスには、全長2.7キロメートルの倉羅トンネルが含まれており、これにより危険な箇所を迂回し、安全な交通環境を提供することが目指されています。また、剣山国定公園などの観光地へのアクセス改善もこのバイパスの重要な目的のひとつです。

事業の進捗

当初予定されていた倉羅バイパスの完成目標は2013年度前後でしたが、財政的な理由などによって進捗が遅れています。2011年には事業主体である徳島県が完成目標を2022年度に修正しましたが、2016年時点で全工程の約1割しか進んでいない状況でした。このため、目標達成の見通しは厳しいものとなっています。

路線データ

起点: 吉野川市美郷字古井
終点: 名西郡神山町上分字名ヶ平
延長: 3.5km
構造規格: 第3種4級
車線数: 完成時は2車線
道路幅員: 8.0m
車線幅員: 6.0m
設計速度:
制限速度:
総工費: 105億円（予定）

沿革

倉羅バイパスの事業化は1992年に開始され、1994年には用地の取得が始まりました。1995年には工事が着手され、徐々に進展が見られました。しかし、その後の財政難が影響し、当初予定していたスケジュールには大きな遅れが生じています。

構造物

このバイパスにはいくつかの重要な構造物が含まれています。
古井1号橋: 長さ88メートル
倉羅大橋: 長さ175メートル
* 倉羅トンネル: 長さ2700メートル

倉羅バイパスの建設は、地域住民にとっての交通の便を向上させるだけでなく、観光地へのアクセス向上にも寄与することが期待されています。今後の進捗が注目されるプロジェクトの一つです。

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