倉部史記

倉部 史記（くらべ しき）

1978年9月生まれの日本の著作家です。教育分野における高大共創コーディネーターや進路指導アドバイザーとしても広く知られています。現在は、追手門学院大学および情報経営イノベーション専門職大学の客員教授も務めています。

経歴と学歴

千葉県柏市出身。学歴は多岐にわたり、まず芝浦工業大学柏高等学校を卒業後、日本大学理工学部建築学科で学びました。その後、慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科に進学し、修士課程を修了しています。さらに、放送大学教養学部でも学びを深め、青山学院大学社会情報学部が提供する「ワークショップデザイナー育成プログラム」も修了しています。また、桜美林大学大学院国際学研究科大学アドミニストレーション専攻では、科目等履修生として8単位を取得するなど、高等教育の運営や教育方法に関する専門知識も身につけています。

キャリアの初期には、民間企業の広報プロダクションにてウェブプロデューサーとして活動しました。その後、教育分野への転身を図り、学校法人である工学院大学の職員として勤務。続いて早稲田塾総合研究所の主任研究員および大学連携プロデューサーを務めるなど、多様な組織で経験を積みました。

独立とその後の活動

2011年12月に独立し、フリーランスとしての活動を開始しました。独立後は、従来の「進路選び」という受け身の姿勢ではなく、自らの意思で将来を「進路づくり」することの重要性を提唱しています。また、大学の「入試広報」に終始するのではなく、高校と大学が教育内容や学生指導において連携を深める「高大接続」こそが不可欠であるという独自の視点を持っています。

こうした考えに基づき、多種多様な団体やメディアと積極的に連携・提携しながら、教育に関する企画立案や情報発信を行っています。その活動は、教育現場へのコンサルティング、講演活動、各種メディアでの執筆やコメント提供など、多岐にわたります。複雑化する現代社会における教育のあり方や、若者たちがどのように主体的に将来を切り開いていくべきかについて、実践的な視点と深い洞察に基づいた発信を続けています。

客員教授としての活動は、これまでの教育界での豊富な経験と知見を活かし、次世代の人材育成や大学教育の発展に貢献するものです。現代の大学が直面する課題や、変化する社会のニーズに対応するための教育改革の議論にも積極的に関与しています。

主な著書

彼の教育分野における洞察は、多くの著作としても結実しています。主な著書には以下のようなものがあります。

『大学職員のリアル-18歳人口激減で「人気職」はどうなる？』（中公新書ラクレ）: 大学職員という職業に焦点を当て、少子化時代の大学運営の課題を描写。
『大学入試改革対応！　ミスマッチをなくす進路指導』（ぎょうせい）: 大きく変化する大学入試制度の中で、生徒が自分に合った進路を選択するための具体的な指導法を提案。
『文学部がなくなる日―誰も書かなかった大学の「いま」』（主婦の友新書）: 人文科学系学部を中心に、現代の大学が抱える厳しい現状と将来への警鐘を鳴らす。
『看板学部と看板倒れ学部　大学教育は玉石混交』（中公新書ラクレ）: 大学の学部選びにおいて、その実質的な教育内容を見抜くことの重要性を説き、大学教育の質的多様性を論じる。

これらの著作は、彼の専門領域である大学教育、進路指導、そして日本の高等教育全体に対する鋭い分析と提言を含んでおり、教育関係者のみならず、学生や保護者、広く社会の関心を集めています。彼の活動は、教育を取り巻く様々なステークホルダーに対し、新たな視点や具体的な行動を促すものとなっています。

外部リンク

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