放送大学

放送大学の概要

放送大学（ほうそうだいがく、英語: The Open University of Japan）は、日本における独自の教育制度を有する大学で、千葉県千葉市に本部を構えています。1981年に設立され、1983年に正式に大学として設置されました。この大学は「放送大学学園法」に基づき、文部科学省と総務省のもとで運営されています。そのため、公共性を持ちながら民間の特性も兼ね備えた公設民営の大学であり、主に放送授業とオンライン授業を提供する通信制教育機関です。

設立の背景と変遷

放送大学は1981年に生涯学習ラーニングの一環として設立され、社会人に対する教育の機会を奨励する目的で設立されました。1983年に大学としての正式な設置を経て、2002年に法改正により学校法人として扱われるようになりました。2007年には英称が「The University of the Air」から「The Open University of Japan」と変更され、さらに新たなドメイン名（ouj.ac.jp）が導入され、学内情報システムも刷新されました。

学びの仕組み

放送大学の教育方法は、放送授業、面接授業、オンライン授業という3つのスタイルで構成されています。学生は多くの単位を放送授業で取得でき、特に卒業に必要な124単位のうち94単位を放送授業で、その他は面接やオンライン授業で取得する必要があります。近年では教育の質を向上させる改革が実施されており、学生がより深く学べる環境が整えられています。

放送大学では、全国に50カ所の学習センターと7カ所のサテライトスペースが設けられており、これらは面接授業や単位認定試験の場として利用されています。これらの施設では学習相談や図書室の利用、さらには学生サークル活動も行われており、学生同士の交流を促進しています。特に、通学制の大学と同様の活動があり、地域に密着した学びの環境が整えられています。

教育の特徴と成果

放送大学の最大の特徴は、誰でもアクセス可能な教育の機会を提供する「公開大学」であることです。入学試験は存在せず、幅広い世代の人が簡単に入学することができますが、卒業のための条件は厳しく、入学後にはしっかりとした履修管理が行われます。1985年度から学部生の受け入れを開始し、これまでに多くの卒業生を輩出してきています。

卒業率は30〜40％程度で、在学期間内に134万人以上の学生が学び、様々な分野で活躍しています。最近の改革により、学習内容の質も向上し、臨床心理士の資格取得も狙えるプログラムが設けられ、より実践的な学びが提供されています。

学部と大学院

放送大学は、教養学部と文化科学研究科の2つの学部を持っています。教養学部では、心理学、福祉、社会経済など多様なコースが設置されており、学士取得を目指す学生や専門性の高い分野に挑戦する大学院生たちも学んでいます。大学院では、修士課程と博士後期課程が用意され、より高度な研究を行う場として認知されています。

施設と学習環境

放送大学の本部には、研究棟や附属図書館、放送スタジオなど様々な施設が整備されています。全国各地の学習センターやサテライトスペースでは、学習相談や再視聴施設としての機能が果たされています。学生は、これらの施設を利用しながら自主的な学びを進めていく必要があります。

卒業後のサポートと展望

放送大学は、就職支援やキャリア開発に関する制度は限定されていますが、卒業後の自助努力を促す特徴があります。知名度は他の大学と比べて高くないものの、卒業の資格が評価され、特に専門的な資格取得に向けての道が拓かれる場合も多くあります。

放送大学は、その独自の教育スタイルと自由な学習環境において、多くの人々に学びのチャンスを提供し続けています。

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