借王

借王（シャッキング）

『借王』は、平井りゅうじ原作、土山しげる作画による漫画で、リイド・コミックで連載されていました。この作品は、1997年から2002年にかけて、哀川翔を主演とした映画シリーズ全9作が製作され、さらには2009年と2011年にはWOWOWで、2014年にはテレビ東京にてドラマ化されるなど、多媒体にわたって展開されてきました。

ストーリー概要

物語の主人公である安斉満（あんざい みつる）は、東大卒のエリート銀行員で、ひかり銀行大阪中央支店の次長を歴任しています。周囲からは出世街道を驀進していると見なされ、多くの期待を背負っていますが、安斉には致命的な弱点がありました。それは、顧客である青柳様が預けた15億円を使い込み、絶望的な状況に陥ってしまったことです。青柳からの要求は、「黙っている代わりに1億円ずつ返してほしい」というもので、安斉はもはや身動きが取れない状況となります。

絶望的な運命を振り払うために、安斉は浪速南署の水沼正三（みずぬま しょうぞう）警部補と、高級クラブ「バセロン」のママ、森下怜子（もりした れいこ）とチームを組みます。彼らは、悪質な商売をしている者たちを翻弄し、金を巻き上げる計画を立てます。登場人物たちが互いに協力し合い、見事な策略を巡らせる中で、物語は予測不可能な展開を迎えます。

登場人物

• - 安斉満（演: 哀川翔）

東大を卒業したエリート銀行マン。出世が期待される一方で、使い込んだ預金が発覚し、苦境に立たされます。悪事を利用して返済の足しにしようと奮闘します。

• - 水沼正三（演: 志賀勝）

大阪府警浪速南署の警部補で、ギャンブル中毒の持ち主。借金に苦しむ日々の中で、安斉との出会いが運命を変えます。

• - 森下怜子（演: 夏樹陽子）

高級クラブのオーナー。バブル崩壊の影響を受けて経営に苦しみ、安斉の計画に乗じて自らの立て直しを図ります。

• - 青柳美乃（演: 絵沢萠子）

京都の大富豪で、銀行に預けた資産が無くなってしまったことを知り、安斉に対し口止めの条件を出します。

書籍情報

『借王』はリイド社のSPコミックスから出版され、その後も続編が作成されています。また、漫画は以下のようなシリーズとして展開されました。

• - 『借王2』
• - 『新・借王』

映画化とテレビドラマ

1997年、日活の製作・配給により映画として最初の作品が公開され、続いてシリーズとして全9作が制作されました。特に、シリーズ第1作と第2作は同日に公開されるなど、作品への期待が高まっていました。映画は、計画的に行われる詐欺劇を描き、主演の哀川翔が普段とは異なるクールな役を演じ、人気を集めました。

また、WOWOWでは『借王〈シャッキング〉-銭の達人-』、及び『借王〈シャッキング〉II-運命の報酬-』として連続ドラマが放映され、2014年にはテレビ東京により新たなドラマが制作されました。これらのテレビドラマは、映画と同じキャストを起用し、外部からの評価も高い結果になりました。

『借王』は、実際の経済状況を背景にしたスリリングな物語性と、キャラクター間の緊迫した関係性が魅力となっており、その展開は多くの視聴者を引きつけました。

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