警部補

警部補（けいぶほ、英称：Inspector）

警部補は、日本の警察法第62条に規定された警察官の階級であり、警視・警部の下、巡査部長の上に位置します。この階級は日本の警察組織において中級幹部とされ、さまざまな責任ある役割を担っています。

概要

警部補は、様々な警察組織の中で主任や係長の役割を果たし、交番においては「ハコ長」として知られています。特に地域警察部門では、交番所長や駐在所所長など、市民とのつながりが強い職務に就くことが多いです。また、警部補は全警察官の約29％、つまり約87,000人がこの階級にあることから、その重要性が伺えます。

警部補の制服は、紺色の制帽に一本のラインが入り、両袖には金色の斜め一本線の袖章が施されています。これにより、周囲にその階級が示され、識別しやすくなっています。

階級の位置と役割

警部補は、警視総監や各種警視の下、中でも第7位に位置する階級です。この役職には現場のリーダーシップが求められ、部下の勤務評価を行う権限も与えられ、交番所長や小規模ユニットの指導者として活躍します。

任官のプロセス

警部補になるには、まず都道府県警察官採用試験を合格し、巡査としてのキャリアを積む必要があります。実務経験が求められ、巡査部長としての経験を踏まえた昇任試験を経なければなりません。大学卒業者や専門学校卒業者は、それぞれの学歴に応じた年数の実務経験が必要です。最も早い場合では20代で昇任することが可能で、実務経験を積む中でリーダーシップを発揮することが求められます。一方、キャリア組は公安職試験を経て警部補としてスタートします。

複数警部補制

特に大規模な警察組織では一つの係に複数の警部補が配置される「複数警部補制」が導入されています。これにより、指揮官が複数存在し、効率的な業務運営を実現しています。その中で選任された警部補は他の警部補に対して指揮命令を行うことができ、特に「5級職警部補」と呼ばれる特別な役職に任命されることがあります。

役職と職務内容

警部補の役職は、警察庁や警視庁本庁で係長や主任に就くことが一般的です。また、道府県警察本部や警察署においても、係長や課長補佐、交番所長、駐在所長などとしてコミュニティに密接に関与する場合が多いです。これにより、警部補という階級は地域安全の維持に不可欠な役割を果たしています。

まとめ

警部補は、日本の警察組織において重要な役職であり、地域警察の現場で市民と密接に関わります。厳しい任官条件もあり、経験を基にしたリーダーシップが求められています。この制度により日本の治安維持に寄与しています。

もう一度検索