偏差値操作

偏差値操作とは

偏差値操作とは、大学などの教育機関が、入学試験において、入学者や合格者の学力偏差値を意図的に高く見せかける行為を指します。これは、大学のレベルを外見上高く見せることを目的として行われます。

概要

日本では、学力偏差値が大学の評価において重要な役割を果たしてきました。受験生や学校関係者にとって、合格に必要な学力水準を示す指標となるだけでなく、ランキングとして公開されることで、大学の序列や価値を決定づける要素となっています。

しかし、各大学の学部学科によって受験前提が異なるため、単純な偏差値の比較は必ずしも正確ではありません。そのため、大学側は、見かけ上の偏差値を操作する動機を持つことがあります。特に、将来的な淘汰が予想される地方の小規模大学などでは、ブランド作りの一環として偏差値操作が行われることがあります。

方法

偏差値操作には、以下のような方法があります。

特定の受験方式で合格レベルを高く設定する: 一部の受験方式において、意図的に合格レベルを高く設定し、ごく一部の高い偏差値層の受験生だけに合格を出すことで、メディアに取り上げられる偏差値を上げる。
入試日程を操作する: 複数回の入試日程を設け、早い日程の合格人数を極端に絞ることで、高い偏差値を示す。ただし、高偏差値の受験生は他の学校に進学することが多く、後の日程で入学者を確保する必要があるため、合格者偏差値と入学者偏差値に乖離が生じることがある。
AO入試や推薦入試の枠を広げる: 一般入試枠を狭め、受験予備校が偏差値比較に用いる入試方式の定員を絞り込むことで、意図的に倍率を操作する。
成績優秀な学生を受験させる: 成績優秀かつ入学意思のない学生を有償で募り受験させることで、合格者名簿を埋め、偏差値を上昇させる。不足する合格者は推薦入試の入学者数で補う。大阪産業大学で実際に行われたとされる手法。

問題点

偏差値操作に用いられる推薦入試の拡大は、学力低下の一因となる可能性も指摘されています。学力審査を経ないで大学生になる人の割合が増加しており、推薦入試の是非については議論があります。

事例

2013年には、大阪産業大学が附属高校生に大量受験させていた問題が、偏差値操作として報道されました。入試委員会の議事録には、「中堅私大としての偏差値を維持するため、系列の大阪桐蔭高校の生徒に、センター試験利用型の入試を受験することを促している」という内容の記載がありました。

関連項目

学歴
大学入学共通テスト

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