偵察航空隊 (1961)

日本の偵察航空隊

偵察航空隊（ていさつこうくうたい、英称：Tactical Reconnaissance Group）は、日本の航空自衛隊において偵察任務を専門に行っていた部隊で、2020年3月まで存在していました。この部隊は航空総隊直轄であり、陸上および洋上の偵察任務を担っていました。特に、RF-4戦術偵察機を運用し、その独特の迷彩塗装や先進的な偵察機材で知られています。

特徴と運用機材

2018年時点で、偵察航空隊は13機のRF-4戦術偵察機を使用しており、これらの機体は、日本の国土や周辺海域に合った三種類の迷彩パターンが施されていました。さらに、これらの機体には、短距離、長距離、パノラマ撮影、赤外線撮影に対応したカメラが搭載されていました。特に、シャークティース塗装を施したRF-4戦術偵察機は航空ファンの間で非常に人気がありました。

偵察航空隊は、自然災害発生時の空撮も行っており、福島第一原発事故や北海道胆振東部地震といった大規模な災害時にも出動しました。また、活火山の観測要請に応じて、1991年の雲仙岳の噴火時にも活動を行っていました。

主な使用機材

• - RF-4E：F-4Eの機体を基にした偵察機で、武装を取り外し、各種カメラを搭載した純粋な偵察専用機です。空戦能力はありません。
• - RF-4EJ：F-4EJ戦闘機を改造した機体で、機外ポッドに偵察機材を装着しています。この機体は、武装系統を持つため、通常のF-4EJと同じ戦闘能力を維持しています。
• - T-4：連絡業務や訓練支援用に使用されていました。

沿革

偵察航空隊は1961年に松島基地で発足し、当初はRF-86Fを使用していました。その後、1974年にはRF-4Eの配備を開始し、徐々に部隊を整備していきました。1992年にRF-4EJが配備されたことで、さらに強化されました。

2009年には整備群が解散し、第7航空団に統合されました。部隊としての偵察航空隊は2020年3月に廃止され、3月9日には最後の飛行訓練を実施し、23日に隊旗が返還されました。この後の偵察任務は、無人航空機「RQ-4 グローバルホーク」部隊や戦闘機部隊に引き継がれることとなります。

2022年12月には、廃止された偵察航空隊の名称を引き継ぐ新たな偵察航空隊が三沢基地で編成されました。

組織編成

偵察航空隊は以下のような組織で構成されていました：

• - 偵察航空隊本部

- 防衛班
- 監理班
- 人事班
- 装備班
- 安全班

• - 第501飛行隊
• - 偵察整備隊（航空機の整備は第7航空団が担当）
• - 偵察情報処理隊

歴代の偵察航空隊司令

部隊の歴代司令官の一覧もあり、各司令官がどのような役割を担い、部隊の運営や戦略に貢献してきたかを振り返ります。

関連項目

偵察航空隊の歴史や活動に関連する項目には、第501飛行隊、百里基地、偵察航空隊が存在します。

このように、偵察航空隊は日本の航空自衛隊の中でも特異な役割を果たしており、その活動は多岐にわたっていました。

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