活火山

活火山についての詳細

活火山（かつかざん）とは、国際的な基準として過去1万年以内に一度でも噴火した火山を示す言葉です。日本においても、火山噴火予知連絡会や気象庁がこの概念を採用しており、現在は活発な噴気活動を示すものや過去の噴火記録がある火山が対象となっています。2020年の時点で日本国内の活火山は111存在しています。

火山の分類とその歴史

当初、火山はその活動状況によって分類されており、英語では「Active volcano（活火山）」「Dormant volcano（休火山）」「Extinct volcano（死火山）」のように呼ばれていました。日本の地質学者横山又次郎は1896年に著した『地質學教科書』において、活火山を「活動中の火山」として定義し、佐藤伝蔵のその後の研究でも同様に活火山、休火山、死火山といった便宜的な表現が用いられました。

しかし、これらの分類はあくまで便宜的であり、横山はその非学術性について警鐘を鳴らしていました。彼の見解によると、有史以来活動がなかった火山でも、突然噴火を起こすことがあるため、活火山と休火山の明確な線引きは難しいのです。

活火山の定義の進化

1950年代に入ると、火山の定義に関する変化が見られ、1918年には47の活火山が特定されました。しかし、時間が経つにつれて、過去10世紀以内に活動した火山や噴気活動が確認されている火山という基準が設けられるようになりました。1962年には、国際火山学協会が新しい基準として74の火山を選定し、後の60年代には日本国内での火山の観測方法やリストも見直されました。

特に、1970年代では有名な富士山や秋田駒ヶ岳が活動を始めるなど、休火山とされていた火山が再び注目を浴びることとなり、非活動的とされていた火山の分類が曖昧になりました。さらに、1991年には過去2000年以内に噴火した火山という新しい観点から、83の活火山がリストに加えられました。

現在の日本における活火山の状況

2000年代に入ると、研究が進む中で2000年以上の休止期間を経て噴火する火山が存在することが明らかになり、国際的には「過去1万年以内に噴火した火山」として活火山の定義が広く受け入れられるようになりました。2003年、火山噴火予知連絡会はこの新しい定義を基に145の活火山を確認しましたが、現在では111とされている火山の監視が行われています。

活火山における観測体制

日本における活火山は、特に経済や生活に影響を及ぼす可能性があるため、研究機関や気象庁により継続的に監視されています。観測対象の火山には地震活動や噴気活動を詳細に追跡するための設備が整っていますが、自然環境による制約があるため、観測機器の設置が困難な場合もあります。特に、活火山の中でも有珠山や富士山といった活動が活発な火山は、連続的な観測が重視されており、防災科学技術研究所のネットワークによって観測されています。

まとめ

活火山は自然現象の中で人間社会に甚大な影響を与える重要な存在です。これらの火山に対する研究と監視の重要性はますます増しており、今後の噴火リスクに備えるための取り組みが続けられています。このような知識の深化が、火山災害を未然に防ぐことにつながることを期待しています。

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