備前信用金庫

備前信用金庫（びぜんしんようきんこ）は、岡山県備前市に本店を置いていた地域金融機関です。主に備前市、瀬戸内市、和気郡和気町、岡山市、赤磐市といった岡山県南東部を中心に、合計12の店舗網を展開し、地域住民や中小企業の金融ニーズに応えていました。

この信用金庫は、2020年2月に対等合併により、日生信用金庫と統合され、「備前日生信用金庫」として新たな一歩を踏み出しました。合併に際しては、備前信用金庫が存続金融機関となり、本店および本部機能も従来の備前信用金庫の所在地に引き継がれました。合併直前の2018年3月末時点では、健全性を示す自己資本比率が13.67%と、比較的高い水準を維持していました。

沿革

備前信用金庫の設立には、二つの異なる地域の信用組合が深く関わっています。

旧牛窓信用金庫
その起源は古く、1948年10月に産業組合法に基づいて設立された保証責任牛窓信用組合に遡ります。その後、1950年2月には中小企業等協同組合法に基づき組織変更を行い、さらに1953年6月には信用金庫法が施行されたことに伴い、牛窓信用金庫として改組されました。

旧片上信用金庫
一方、片上信用金庫は、1950年4月に中小企業等協同組合法に基づく片上信用組合として設立されました。こちらも法改正を受け、1952年6月には信用金庫法に基づく片上信用金庫へと組織変更を行っています。

備前信用金庫は、これら地域の二つの信用金庫、すなわち片上信用金庫と牛窓信用金庫が、1970年10月に合併したことにより創立されました。地域の金融機関の統合による効率化や経営基盤の強化を目指した動きと考えられます。

創立以降も、店舗網の再編は行われました。例えば、2007年7月13日には水門支店の窓口業務が終了し、同年7月17日をもって邑久支店へと統合されています。これは、顧客ニーズの変化や経営効率化に対応するための措置でした。

2020年2月には、同じ岡山県東部に基盤を持つ日生信用金庫との対等合併が実現し、地域金融の新たな連携強化が図られました。存続信用金庫は備前信用金庫となり、名称を「備前日生信用金庫」と改めて現在に至ります。

備前信用金庫がかつて事業区域としていたのは岡山県全域であり、県内広範囲の顧客を対象としていました。

関連情報として、「日本の信用金庫一覧」などを参照すると、備前信用金庫が日本の信用金庫ネットワークの中でどのような位置づけにあったかを理解する助けになります。また、かつて存在した備前信用金庫の公式サイトは、合併前の情報を知るための貴重な資料となります。

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