備前日生信用金庫

備前日生信用金庫

備前日生信用金庫（びぜんひなせしんようきんこ）は、日本の信用金庫の一つで、岡山県備前市伊部にその本店を構えています。この信用金庫は、2020年2月10日に、地域に根差した金融機関である備前信用金庫と日生信用金庫が統合することによって新たに発足しました。両金庫の合併にあたっては、備前信用金庫が存続金庫となり、合併後の本店および本部機能は、旧備前信用金庫の本店・本部に引き継がれています。

事業区域と店舗網

備前日生信用金庫の活動範囲、すなわち事業区域は、岡山県全域にわたっています。これに加え、隣接する兵庫県の一部地域、具体的には赤穂市、相生市、赤穂郡上郡町もその営業範囲に含んでいます。地域の皆様の暮らしや事業を支えるため、本店が置かれる備前市を中心に、瀬戸内市、和気郡和気町、赤磐市、岡山市といった岡山県内の主要な市町村に支店を展開しています。さらに、事業区域に含まれる兵庫県赤穂市にも店舗を設けており、広範な地域でサービスを提供しています。

合併の背景と目的

両金庫の統合は、信用金庫業界を取り巻く経営環境が厳しさを増している現状への対応として行われました。人口減少や少子高齢化による地域経済の活力低下、超低金利環境の継続、そして金融サービスにおける競争の激化など、多くの課題に直面する中で、個々の信用金庫が単独で経営基盤を維持・強化していくことの困難さが増していました。このような状況下で、備前信用金庫と日生信用金庫は、経営資源を結集し、組織全体の業務効率を向上させること、そして顧客に対する金融サービスの質を高めることで営業力を強化することを目指しました。合併を通じて、より強固で安定した経営基盤を確立し、将来にわたって地域社会に貢献し続けることを重要な目的としています。

地域貢献への取り組み

備前日生信用金庫は、単なる金融仲介機能にとどまらず、地域社会の持続的な発展に積極的に寄与することをその使命としています。特に、地域が直面する少子高齢化や中小事業者の減少といった課題に対し、金融機関としてできる支援策を強化しています。合併発足と同時に、「経営コンサルティング室」と「地域応援課」という専門部署を新設しました。経営コンサルティング室では、中小企業の経営改善や事業承継、創業支援などに関する専門的なアドバイスを提供し、地域の事業者が抱える経営課題の解決をサポートします。一方、地域応援課では、地域資源を活用した活性化プロジェクトへの参画や、異業種交流、販路開拓支援などを通じて、地域全体の経済循環を促進し、新たな活力の創出を図っています。これらの活動を通じて、地域住民や事業者の皆様と共に、より良い地域社会づくりに貢献していくことを目指しています。

合併に伴う主な変更

今回の合併に伴い、組織体制の一部見直しや店舗名の変更が行われました。例えば、旧日生信用金庫の本店営業部は、合併後の備前日生信用金庫において「日生営業部」と名称が改められるなど、顧客が利用する店舗の一部に変更が生じています。これらの変更は、統合後の組織を円滑に運営し、顧客サービスの継続性を確保するために実施されました。

沿革

備前日生信用金庫の設立に至るまでの主な経緯は以下の通りです。

2019年3月1日: 備前信用金庫と日生信用金庫が合併に向けた基本合意を公表しました。
2019年6月17日: それぞれの信用金庫の通常総代会において、合併契約が承認され、新たな名称を「備前日生信用金庫」とすることが正式に決定しました。
2020年2月3日: 中国財務局より合併に係る認可を取得しました。
2020年2月10日: 正式に備前日生信用金庫が発足し、業務を開始しました。

備前日生信用金庫は、これらの歴史を経て、地域の金融機関として、その役割を果たしています。

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