僕のwonderful world

僕のwonderful world

「僕のwonderful world」（ぼくのワンダフル・ワールド）は、日本のミュージシャン、ASKAが2020年に発表したデジタルシングル楽曲です。2020年9月25日にDADAレーベルより配信リリースされました。この楽曲は、ASKAが同年に行った、短期間に複数の新曲を連続して発表するという意欲的なプロジェクトの一環として生まれました。

リリースの背景と経緯

2020年9月2日、ASKAは突如として、向こう3週間にわたり毎週新曲を配信するというサプライズ企画を発表しました。この発表に基づき、9月11日には「幸せの黄色い風船」、9月18日には「自分じゃないか」が順次配信され、本作「僕のwonderful world」はその締めくくりとなる第3弾として届けられました。

当初、ASKAの新曲配信は月ごとのペースが想定されていたようですが、この3曲のミュージックビデオ（MV）を制作するにあたり、それぞれの楽曲の世界観に合ったロケーションでまとめて撮影することが決定しました。このMV撮影計画が、楽曲をより迅速にファンに届けたいという意向と結びつき、結果として9月中に毎週というハイペースでの連続配信が実現したと語られています。実際に、これら3曲のMVは同年10月4日にまとめて撮影が行われることが公表されました。このように、計画の変更を経て週単位でのリリースへとシフトした背景には、アーティストの迅速な創作活動と、それをファンに届けたいという熱意があったと言えるでしょう。

楽曲に込められたテーマと音楽性

本作「僕のwonderful world」は、同時期にリリースされた「幸せの黄色い風船」「自分じゃないか」と共通するテーマを持っています。ASKA自身は、これらの楽曲が制作された2020年という年が、世界的な新型コロナウイルス感染症のパンデミックという、まさに「人類史に残るような出来事」に見舞われた時代であることに着目しています。そして、偶然にもこの特別な時代を共に生きている私たちの日々や感情を記録し、「その時の歌」として後世に残しておきたいという強い動機が、これらの楽曲を生み出す原動力となったと述べています。

楽曲「僕のwonderful world」は、作詞・作曲ともにASKAが担当しています（演奏時間は4分38秒）。音楽的な特徴としては、落ち着きがあり洗練されたジャジーな雰囲気を纏っている点が挙げられます。このジャズテイストのサウンドスケープに、ビルボードクラシック・ストリングスによる豊かで美しいストリングスアレンジが加わることで、楽曲は一層深みを増しています。ストリングスの響きは、ジャジーなリズムセクションと絶妙に融合し、困難な時代の中にあっても失われない希望や、日々の暮らしの中にある「wonderful world」を見出そうとする、楽曲の持つ内省的かつ肯定的なメッセージを優しく包み込んでいるかのようです。この組み合わせは、ASKAの音楽的な多様性と、楽曲の世界観を表現するための緻密なサウンドメイクを示しています。

収録アルバム

本楽曲は、後にリリースされたASKAのオリジナル・アルバム『Wonderful world』に収録されました。

外部リンク

* 僕のwonderful world - Fellows ASKA Official Web Site

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