自分じゃないか

ASKAの楽曲「自分じゃないか」は、2020年9月18日に配信シングルとして世に送り出されました。

リリース背景

本作は、ASKAが2020年9月2日に予告した3週連続での新曲リリースの企画において、第1弾の「幸せの黄色い風船」に続いて発表された第2弾の楽曲です。

当初、ASKAは月に一度のペースで新曲を配信することを構想していましたが、本作を含む3曲まとめてのミュージック・ビデオ撮影が各楽曲のロケ地で行われることになったため、急遽、9月中に毎週1曲ずつ配信するというスケジュールへと変更されたという経緯があります。この時期には、本作を含む一連の新曲群のミュージック・ビデオ撮影が同年10月4日に予定されていたことも明らかにされました。

音楽性とテーマ

本作は、同時期に配信された「幸せの黄色い風船」や、この後に続く「僕のwonderful world」と同様に、共通のテーマを持つ楽曲群の一つと位置づけられています。

ASKA自身はこれらの楽曲群について、「2020年という、人類史において特筆すべき出来事（世界的なコロナ禍）に直面しているこの時代に、偶然にも私たちは共に生きている。であればこそ、『その時々の歌』として記録に残しておきたい、そんな思いで作った」と語っており、コロナ禍という未曾有の時代を生きる人々の心に寄り添い、共感を呼ぶようなメッセージが込められていることがうかがえます。

楽曲構成と特徴

楽曲「自分じゃないか」の再生時間は3分35秒で、作詞・作曲はASKA自身が手掛けています。

音楽的な特徴として、「4つ押し」あるいは「4分打ち」と称されるリズムパターンが用いられている点が挙げられます。これは、ドラムのバスドラムなどが四分音符に合わせて一定のリズムを刻み続ける手法で、楽曲全体に力強い推進力と安定感を与えます。

この「4つ押し」のリズムは、特にライブパフォーマンスにおいて聴衆の一体感や熱狂を高める効果を発揮するとされており、オーディエンスが手拍子などでリズムに乗りやすく、会場全体の熱気を高めるのに寄与します。

この手法は、過去のCHAGE and ASKA時代の楽曲にも見られます。例えば、「SAILOR MAN」や「TURNING POINT」といったライブでの定番曲にも「4つ押し」のリズムが効果的に使用されており、観客とアーティストが一体となって盛り上がる場面を演出してきました。ASKAは、本作「自分じゃないか」を制作するにあたり、「ライブ空間で聴衆とアーティストが一体となれるような楽曲」となることを特に意識したと述べており、このリズムパターンがその意図を具現化するための重要な要素となっていることがわかります。

収録アルバム

「自分じゃないか」は、後にリリースされたアルバム『Wonderful world』に収録されています。

関連情報

本作に関する情報は、ASKAのオフィシャルウェブサイト「Fellows」などでも確認することができます。

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