僕達の家 (Our House)
「僕達の家」は、
イギリス出身の
シンガーソングライター、
グラハム・ナッシュによって書かれ、クロスビー、スティルス、ナッシュ&ヤング(CSNY)によって演奏された楽曲です。
1970年3月11日に発売されたアルバム『デジャ・ヴ』に収録され、同年9月には
シングルカットされました。B面には
デヴィッド・クロスビー作の「デジャ・ヴ」が収録されています。この曲は、同年10月31日から11月7日にかけて、ビルボードHot 100で2週連続30位を記録しました。
楽曲の背景と特徴
この楽曲は、「
カウンターカルチャー的な家庭の幸福に捧げられた
頌歌」と評されています。
グラハム・ナッシュが
ジョニ・ミッチェルと
ロサンゼルスの
ローレル・キャニオンで
同棲していた時期に書かれました。朝食に出かけ、ベンチュラ・ブルバードで花瓶を買って帰宅した際の出来事が、曲作りのきっかけになったとされています。ナッシュはミッチェルのピアノを使い、約1時間でこの曲を完成させました。
ナッシュは、この曲について、日常の些細な出来事の中に潜む幸せを描いたと語っています。歌詞には、暖炉にくべる火、猫、そして愛する人との時間といった、家庭生活の温かさが表現されています。シンプルながらも心に響くメロディーと、ナッシュの優しい歌声、そしてCSNYならではの美しいハーモニーが、この曲を特別なものにしています。
日本語タイトルは、当初「僕達の家」でしたが、後に「僕等の家」という表記も用いられるようになりました。
演奏者
グラハム・ナッシュ - リード・ボーカル、ピアノ、ハープシコード
スティーヴン・スティルス - バッキング・ボーカル
デヴィッド・クロスビー - バッキング・ボーカル
グレッグ・リーヴズ - ベース
ダラス・テイラー - ドラムズ
カバーバージョン
「僕達の家」は、数多くのアーティストによってカバーされています。
ヘレン・レディ(1971年)
ファリード・ハーク(1997年)
シーナ・イーストン(1999年)
村上ゆき(2004年、2015年)
トモ・ナカヤマ(2024年)
2020年3月には、
グラハム・ナッシュ自身が新型コロナウイルスの流行による外出禁止期間中に自宅からライブ演奏を配信し、この曲を演奏しました。
楽曲の影響
この曲は、発表から半世紀以上が経過した現在でも、多くの人々に愛され続けています。家庭の温かさや、愛する人との絆を再認識させてくれる普遍的なテーマが、時代を超えて共感を呼んでいるのでしょう。
また、映画やテレビ番組など、様々なメディアで使用されています。エックリッチの
ソーセージのジングルや、
イギリスのテレビコメディ『Only Fools and Horses』、アメリカのシットコム『
ママと恋に落ちるまで』などでも使用されました。2024年には
Netflixのドラマ「忍びの家」にも採用されています。
50周年記念盤
2021年5月14日には、『デジャ・ヴ 50th Anniversary Deluxe Edition』が発売され、ナッシュ一人のデモ・バージョン、ナッシュの歌に
ジョニ・ミッチェルがハーモニーをつけるデモ・バージョン、CSNによるアーリー・バージョンの3つのバージョンがボーナスで収録されました。