僕達急行 A列車で行こう

映画『僕達急行 A列車で行こう』について

『僕達急行 A列車で行こう』は、2012年3月24日に東映系映画館で公開された日本のコメディ映画です。本作品は、鉄道を愛する若者たちの友情と恋愛をテーマにしており、観客にユーモアと感動を届けます。監督・脚本を手掛けたのは森田芳光で、彼が30年以上も温めてきたコンセプトを基に制作されています。この映画は森田にとって遺作となり、スタッフロールの最後では追悼のメッセージが掲示されています。

概要

主演には松山ケンイチと瑛太が抜擢され、共演には貫地谷しほり、村川絵梨、ピエール瀧などの実力派が揃っています。この作品は公開初日2日間で6040万円以上の興収をあげ、観客動員ランキングでは9位に登場するなど、注目を集めました。

ストーリー

物語の中心は、鉄道会社「のぞみ地所」に勤務する小町圭と「コダマ鉄工所」の小玉健太です。二人は共通の趣味である鉄道を通じて意気投合し、友情を深めますが、恋愛には苦手意識を持っていることが共通の悩みです。圭の趣味は列車内での音楽鑑賞ですが、それが衝突を生むこともしばしば。一方で、健太も真面目な性格ながら、華やかな女性に魅かれてしまい、現実とのギャップに悩む様子が描かれます。

ある日、圭は住んでいたマンションを追い出され、健太の紹介でコダマ鉄工所の寮に居住するようになります。事態は彼にとって予想外の展開を迎え、九州への転勤辞令が下るのです。

転機と旅

圭が新たな土地での生活をスタートさせる中、彼のもとに健太が「青春18きっぷ」を使ってやってきます。二人は九州のローカル線を巡りますが、そこではまた新たな出会いが待ち受けています。彼らは派手な女性たちと共に鉄道ファンの男性と出会い、さらなる冒険が始まります。一方、のぞみ地所の社長が新たなビジネスチャンスを求めて九州を訪れる場面では、圭の運命が大きく変わることも……。

撮影とロケーション

撮影は2010年の9月から開始され、主に九州で行われました。九州の美しい風景を背景に、列車の走行や駅でのシーンが収められています。特に九州でのロケは、鉄道の運行ダイヤを乱すことなく行われ、制作陣の努力が光ります。特急列車や急行列車の名前を持つキャラクターたちも魅力的で、鉄道ファンの心を掴む要素が満載です。

キャストとスタッフ

映画には、松山ケンイチ演じる小町圭や瑛太演じる小玉健太など、個性豊かなキャラクターが登場します。コメディ要素が強調される中、友人の絆や恋愛の難しさが丁寧に描かれています。また、監督の森田芳光の独自の視点が色濃く反映されており、音楽や美術も緻密に仕上げられています。

受賞とシリーズ化

本作は第67回毎日映画コンクールで音楽賞を受賞しており、音楽に対する評価も高いです。また、主演の松山ケンイチと瑛太のコンビで続編の構想もあったと言われていますが、森田監督が不幸にも亡くなったため、実現しませんでした。

『僕達急行 A列車で行こう』は、鉄道ファンのみならず、多くの方に愛される映画であり、友情と恋の物語が心温まるエンターテインメントとして楽しめる作品です。

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