元宮磨崖仏

元宮磨崖仏は、大分県豊後高田市にある室町時代の磨崖仏で、その歴史的、美術的な価値から、近隣の熊野[[磨崖仏]]、鍋山磨崖仏とともに「熊野[[磨崖仏]]附元宮磨崖仏及び鍋山磨崖仏」として国の史跡に指定されています。

磨崖仏は、田染八幡神社の北側の岩壁に刻まれており、岩壁を抉って作られた龕の中に、不動明王を中心に、右に矜羯羅童子と毘沙門天、左に持国天と地蔵菩薩の計五体の像が、東を向いて薄肉彫りで刻まれています。これらの像は、室町時代の仏教美術を代表するものであり、当時の人々の信仰や文化を今に伝える貴重な存在です。

中央に位置する不動明王は、力強い姿で表現されており、その存在感は圧倒的です。向かって右側の矜羯羅童子と毘沙門天も、それぞれ特徴的な姿で彫られています。一方、左側の持国天は、鎧を身に着けた武将の姿で表現されています。地蔵菩薩は、他の像に比べてやや小さく、後世に付け加えられたものと考えられています。かつては不動明王の左側には制吒迦童子が彫られていたと伝えられていますが、残念ながら現存していません。

これらの磨崖仏は、長年にわたり風雨にさらされてきましたが、2001年に磨崖仏を保護するための堂が設置されたことで、その保存状態は大幅に改善されました。現在では、訪れる人々が安心してその姿を観ることができるようになっています。

元宮磨崖仏は、その歴史的背景や美術的価値だけでなく、自然の岩壁に彫られたという点でも特筆されます。自然と信仰が融合した場所として、多くの人々にとって心の安らぎを与えてくれる場所です。周辺には、同じく国の史跡に指定されている熊野[[磨崖仏]]や鍋山磨崖仏もあり、これらの磨崖仏を巡ることで、より深くこの地域の歴史や文化に触れることができます。

関連情報

熊野[[磨崖仏]]：元宮磨崖仏とともに国の史跡に指定されている磨崖仏です。
鍋山磨崖仏：こちらも国の史跡に指定されている磨崖仏で、元宮磨崖仏と合わせて訪れると良いでしょう。
九州・沖縄地方の史跡一覧：九州・沖縄地方の史跡についてさらに詳しく知りたい場合は、こちらをご覧ください。

外部リンク

元宮磨崖仏 - 豊後高田市公式観光サイト
元宮磨崖仏（archive.today、2014年1月5日）
熊野[[磨崖仏]] 附 元宮磨崖仏及び鍋山磨崖仏 - 文化遺産オンライン
* 元宮磨崖仏 - 日本遺産 鬼が仏になった里「くにさき」

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