元幹

元幹（げんかん）：北魏の皇族、趙郡王の生涯

元幹（469年 - 499年）は、北魏の皇族であり、趙郡王の地位にありました。字は思直。

生涯

献文帝と韓貴人の間に生まれました。485年、河南王に封じられ、衛大将軍を加官され、侍中・中都大官に任じられました。その後、車騎将軍・左光禄大夫となり、吏部尚書を領しました。生母である韓太妃が亡くなると、元幹は使持節・都督南豫郢東荊三州諸軍事・征南大将軍・開府・豫州刺史に任じられました。孝文帝の南征においては、使持節・車騎大将軍・都督関右諸軍事を務めました。493年に南朝斉の武帝が亡くなると、軍を返しました。

洛陽への遷都後、趙郡王に改封され、都督冀定瀛三州諸軍事・征東大将軍・冀州刺史に任じられました。この際、李憑が長史、唐茂が司馬、盧尚之が諮議参軍として元幹を補佐しました。しかし、州の統治において刑罰を濫用したため、李憑らはたびたび元幹を諫めましたが、聞き入れられませんでした。その後、特進・司州牧に転じました。494年の南征では、都督中外諸軍事に任じられました。495年、御史中尉の李彪による弾劾を受けましたが、反省の色を示さなかったため、杖罰一百を受け、免官となり、王邸に謹慎させられました。

499年、31歳で亡くなりました。諡は霊王といい、長陵に陪葬されました。

子

元幹には、元諶、元謐、元譚、元讞、元譿の5人の子がおり、元謐が後を継ぎました。

人物

元幹は皇族として高い地位にあり、孝文帝の南征など重要な局面で役割を果たしました。しかし、冀州刺史時代には刑罰を濫用し、諫言にも耳を傾けなかったため、その統治は批判を浴びました。このことが彼の後半生に大きな影響を与えたと言えるでしょう。

伝記資料

『魏書』巻21上 列伝第9上
『北史』巻19 列伝第7

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