元弘

元弘（げんこう）

元弘は、日本の元号の一つで、元徳の後、建武の前の期間にあたります。この元号は1331年から1334年までの約3年間を指し、この時期の天皇は後醍醐天皇です。鎌倉幕府は守邦親王が将軍として君臨し、北条守時が執権を担っていました。

改元の背景

元弘の開始は1331年5月5日（ユリウス暦1331年6月10日）の改元にさかのぼります。この頃、後醍醐天皇の倒幕計画が明るみに出て、鎌倉幕府はそれに関与した者たちを厳重に追及していました。8月9日（9月11日）には、後醍醐天皇が公式に「元徳」から「元弘」への改元を宣言しましたが、幕府はこの新しい元号を受け入れず、引き続き「元徳」を用いることを決定しました。さらに、幕府は9月20日（10月22日）には光厳[[天皇]]を新たな天皇として即位させました。

元弘2年（1332年）には、後醍醐天皇は隠岐への流刑に処されてしまいます。その間、光厳[[天皇]]は正慶に改元します。元弘3年（正慶2年）の1333年には、後醍醐天皇が隠岐から脱出し、鎌倉幕府を滅ぼすことに成功します。これによって「正慶」の元号は消え去り、元弘の意義がさらに強調されました。

最終的に、元弘4年の1月29日（ユリウス暦1334年3月5日）に「建武」へと改元されました。

元弘期の主要な出来事

元年（1331年）

• - 8月：後醍醐天皇が京都を脱出し、剣璽を持って笠置山に逃れる。
• - 9月：楠木正成が河内国下赤坂城で挙兵し、笠置が陥落後、後醍醐天皇が捕縛される。鎌倉幕府は光厳[[天皇]]を擁立し、即位させる。
• - 10月：三種の神器が幕府によって接収される。

2年（1332年）

• - 3月：幕府が後醍醐天皇を隠岐島に流罪とする。
• - 6月：楠木正成が千早城で、護良親王が吉野でそれぞれ蜂起する。

3年（1333年）

• - 2月：赤坂城が陥落する。後醍醐天皇は隠岐島を脱出。
• - 5月：足利尊氏や赤松則村などが後醍醐方に呼応し、六波羅探題を滅亡させ、鎌倉幕府も崩壊する。
• - 6月：後醍醐天皇が入京し、新政を開始する。記録所を復活させ、政権の基盤を固める。
• - 10月：北畠親房・北畠顕家が義良親王を擁して陸奥国に向かう。
• - 12月：足利直義が成良親王を奉じ鎌倉へ向かう。北条氏の残党の反乱が活発化する。

死去した人物

この時期には、日野資朝や北条高時、北条仲時、京極為兼などが亡くなりました。また、元弘の期間中には多くの著名な人物が生き抜く中で、歴史に名を残しました。

このように、元弘という元号は日本の歴史において特異な位置を占めており、特に鎌倉幕府との抗争は多くの人々の記憶に留められています。

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