光厳天皇

光厳天皇

光厳天皇（こうごんてんのう、旧字体：光嚴天皇、1313年8月1日〈正和2年7月9日〉- 1364年8月5日〈貞治3年7月7日〉）は、日本の北朝初代天皇であり、その在位期間は1331年10月22日から1333年7月7日までだった。名は量仁（かずひと）。彼は後伏見天皇の第三皇子であり、母親は左大臣の西園寺公衡の娘である広義門院、後の西園寺寧子にあたる。

光厳天皇の生涯は、室町時代の政治的混乱の中で展開された。彼は若くして天皇になるも、後醍醐天皇によって廃位されてしまう。しかし、建武政権の崩壊後には「治天の君」として北朝の政治を統治し、室町幕府との連携や、和歌集『風雅和歌集』の編纂に関与するなど、文化の発展にも寄与した。106.

誕生と幼少期

光厳天皇は、正和2年（1313年）の夏に、朝廷で権力を誇示していた持明院統の一員として誕生した。彼は持明院殿で育ち、叔父の花園上皇から厳格な帝王教育を受けた。彼の教育は、後の日本の史を彩る豊かな精神性と文化の基礎となった。

即位

元弘元年（1331年）、後醍醐天皇が鎌倉幕府に対して反乱を起こしたことがきっかけで、光厳は後伏見上皇の詔によって天皇として践祚する。彼は、わずか19歳での即位を果たし、即位礼および大嘗祭を行った。その後、後醍醐天皇が捕らえられた際には、彼から天皇の三種の神器を継承した。

廃位と復位

しかしながら、光厳天皇の在位は安定せず、同年3月には後醍醐による倒幕運動が加速し、足利尊氏の寝返りにより光厳の政権は崩壊した。光厳は一時廃位されるが、建武3年（1336年）には尊氏の離反を機に光厳が再び北朝の首位に返り咲く。彼は後に弟の豊仁親王を翌代に天皇として立て、北朝と南朝が並立する南北朝時代が幕を開ける。

治世と政策

光厳天皇は、院政を敷いて室町幕府との協調を図り、法整備や撫民政策を進めた。特に、彼が行った貞和徳政は、緊急の経済政策として評価される。また、彼の文化的活動として、和歌の振興や寺院の建立にも力を入れていた。法ならびに文化の両面で彼の時代は重要な礎を築く。

晩年と出家

治天の君として国を治めた光厳であったが、観応の擾乱によってまたもや政治的混迷に陥り、最終的には南朝の勢力に拉致される。その後、出家して禅宗に帰依し、唯庵生活を送ることになった。晩年には持明院統の相続についても取り決めを行い、仏道に専念した。彼は延文2年（1357年）に帰京し、政務から退いた後も自身の皇統の存続と将来について考え続けていた。

崩御

光厳は貞治3年（1364年）、常照皇寺にて崩御。52歳であった彼は、在位中の政治や文化において重要な役割を果たし、晩年には自らの教えを後の世に遺すことを重視した。その死後、彼の皇位は光明天皇、後光厳天皇へと受け継がれ、幕末近くに至るまで、持明院統の子孫が天皇を輩出することになる。

光厳天皇は、乱世の天皇として数多の困難に直面しながらも、真摯に政治に向き合った姿勢が評価されている。また、彼の実在は歴史的にも影響を与え、後の天皇制度や政権にまでその思想が息づいている。

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