元老院 (イタリア)

元老院（Senato della Repubblica）

元老院はイタリア共和国の上院であり、1848年5月8日にサルデーニャ王国内に設立されました。この機関は、イタリア統一運動であるリソルジメントの達成に寄与し、その後、イタリア王国の議会として機能するようになりました。元老院の議員は5年の任期を持ち、大統領が不在の際には元老院議長がその職務を代行します。

議席数の変更

元老院の定数は2020年9月以降の総選挙により200議席に縮小されることが決まりました。これに先立ち、元老院の議席数は315であり、うち309は国内選挙区から、6は国外在住者のための選挙区でした。2020年9月20日から21日にかけて行われた国民投票では、憲法第56条、57条、59条の改正案が賛成票の7割を超えて通過し、下一院も含めた議員定数削減が実施されました。

終身議員の制度

元老院の議員は公選制ですが、イタリアの憲法第59条に従い、大統領が任命する終身議員の制度も存在します。これには、大統領経験者に限らず、社会や科学、芸術、文学などの領域で顕著な功績を持つ者が含まれます。終身議員は最大でも5人まで任命され、政党に所属することはありません。

現在の終身議員

元大統領を除く、現在の終身議員には以下のような人物がいます：

• - マリオ・モンティ（2011年就任）: 経済学者であり、元欧州委員及び第82代首相。
• - レンゾ・ピアノ（2013年就任）: 建築家で、1998年にプリツカー賞を受賞。
• - カルロ・ルビア（2013年就任）: 素粒子物理学者で、1984年にノーベル物理学賞を授与。
• - エレーナ・カッターネオ（2013年就任）: 薬理学者としての業績を上げる。
• - リリアーナ・セグレ（2018年就任）: ホロコーストの生存者で、特にその経験の重要性を訴えている。

選挙制度

イタリアの元老院選挙は、選挙区によって異なる制度を採用しています。主に、以下のような方式があります：

• - 拘束名簿式比例代表制: ヴァッレ・ダオスタ州およびトレンティーノ＝アルト・アディジェ州を除いた18の国内選挙区で実施。
• - 小選挙区制: ヴァッレ・ダオスタ州（1つ）およびトレンティーノ＝アルト・アディジェ州（7つ）で採用。
• - 非拘束名簿式比例代表制: 国外在住者向けの4つの選挙区で用いられています。
• - プレミアム制: 各州で最も得票数が多い政党や候補者名簿連合が、その州の定数の55%を確保する仕組み。残りの議席は他の政党と比例配分されます。

選挙の実際

近年の元老院選挙の実施例には、2008年、2013年、2018年、2022年の総選挙があります。これらの選挙では、国民の選択に基づいて議席が更新され、イタリアの政治の在り方に影響を与えています。

元老院は、イタリアの政治システムにおいて非常に重要な役割を果たし、議会として国の政策立案や法律制定に取り組んでいます。

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