光 (宇多田ヒカルの曲)

宇多田ヒカルのシングル「光」

宇多田ヒカルの「光」は、2002年3月20日にリリースされた彼女の10枚目のシングルです。この楽曲は、前作「traveling」からおよそ5か月後に発表されたもので、多くのファンに愛されています。

このシングルのプロモーションビデオ（PV）は、ユニークなワンカット映像が特徴で、宇多田自身が食器を洗う姿が映し出されています。撮影は一発勝負で行われ、彼女はその緊張感を後に語っています。たまたま食器が十分に洗われていないことをダウンタウンの松本人志がテレビ番組「HEY!HEY!HEY!」で指摘したことがありましたが、これはPVの進行に合わせて食器を洗うタイミングを計った結果だということが明かされています。撮影された場所は、当時の宇多田の自宅であり、CDのジャケット写真も同じ場所で撮影されています。

当初、PVの監督には紀里谷和明ではなくドナルド・キャメロンを予定していましたが、キャメロンのスケジュールが合わなかったため実現しませんでした。しかし、その後のシングル「COLORS」ではキャメロンとコラボレーションすることができました。さらに、宇多田が電撃的に結婚した際、この曲の歌詞が結婚を暗示しているとニュースで取り上げられたこともありました。逆に彼女の離婚時には「Flavor Of Life」が同様に報道されるなど、彼女の楽曲はしばしば彼女の私生活と結び付けられることがありました。

また、「光」のアルバム収録版にはリアレンジが施されておらず、楽曲の冒頭には息を吸う音が取り入れられています。さらに、翌年には英語版の「Simple And Clean」がリリースされ、「COLORS」のカップリングとして収録されました。この楽曲は、宇多田の3rdアルバム『DEEP RIVER』にも収録され、特に聴き応えのあるバラードとして評価を得ています。

2024年には、この曲の新たなリアレンジ版が収録されたベストアルバム『SCIENCE FICTION』が発売され、A・G・クックとの共同プロデュースによる再録も実現しました。

「光」は、スクウェア・エニックスの人気ゲーム『キングダム ハーツ』のエンディングテーマとしても広く知られています。この作品においては、多くの派生タイトルでもエンディングやオープニングテーマとして使われており、ゲームと音楽の親和性が特に高いことが感じられます。

2017年には、15年の時を経て新たに「光 (Ray Of Hope MIX)」が配信限定シングルとしてリリースされました。この楽曲は、PlayStation 4|PlayStation_4用ソフト『キングダム ハーツ HD 2.8 ファイナル チャプター プロローグ』のテーマソングとしても使用されました。なお、彼女はこの時期にレコード会社をエピックレコードジャパンに移籍したため、このシングルが彼女のユニバーサル・ミュージック時代の最後の作品となりました。また、「光」は全米のiTunesチャートで、日本人アーティストとして初めて2位にランクインする快挙を達成しています。

このように、宇多田ヒカルの「光」は楽曲としての価値だけでなく、様々なメディアとのコラボレーション、彼女の人生に密接に関連したエピソードなど、多面的に評価されている名曲です。

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