光の花の庭

あしかがフラワーパークの光の花の庭：幻想的な光と花の競演

栃木県足利市に位置するあしかがフラワーパークでは、毎年冬になると大規模なイルミネーションイベント『光の花の庭』が開催されます。

圧倒的なスケールと美しい演出

「関東三大イルミネーション」の一つに数えられ、夜景観光コンベンション・ビューローが認定する「日本夜景遺産（ライトアップ夜景遺産）」にも選ばれた、名実ともに日本を代表するイルミネーションイベントです。2021年には20周年を迎え、500万球もの電球が使用され、園内全体を幻想的な空間へと変貌させます。

細部までこだわった、職人の技

このイベントのイルミネーションは、あしかがフラワーパークの職員が企画・設置を手掛けます。普段は植物の栽培に携わる職員たちが、それぞれの専門知識と情熱を注ぎ込み、細部までこだわって創り上げます。歌番組のセットや街の光の演出を参考に、色の組み合わせや配置間隔などを研究し、独自の世界観を表現しています。

変化に富むテーマと演出

イベントの名称は年によって若干異なりますが、「あしかがフラワーパークのイルミネーション」と呼ばれることも多く、親しみやすい呼び名として定着しています。

開催期間は例年10月下旬から2月上旬までで、昼の部と夜の部の二部制。イルミネーションは16時30分から点灯し、20時30分を標準終了時間として、休日には延長営業を行うこともあります。

会期は3つの期間に分けられ、それぞれ異なるテーマに沿った演出が施されます。例えば、2021年は「光と花のコラボレーション」「フラワーパークのクリスマス」「ニューイヤーイルミネーション」といったテーマで、様々な光の表現が展開されました。

フジの輝き：圧巻の美しさ

あしかがフラワーパークのシンボルである大藤を含む、園内の様々な植物をカラフルな光で美しくライトアップ。特に大藤のイルミネーションは、本物の藤の花を思わせる繊細な光の演出が施され、来場者から絶大な人気を誇ります。薄暮の時間帯には、藤の枝がシルエットとなって浮かび上がり、光がまるで花びらのように垂れ下がる様子は、息をのむほどの美しさです。

来場者増加と地域活性化

光の花の庭は、あしかがフラワーパークの来場者数に大きな影響を与えています。かつては冬季の来場者が少なかった同園ですが、このイベント開催以降、年間来場者数の3分の1を光の花の庭の来場者が占めるまでになりました。

その集客力は、栃木県庁も注目しており、中国・台湾への観光プロモーションにも活用されています。

多様なイルミネーションスポット

9.4ヘクタールもの広大な園内には、スノーワールド、日本の四季、光のピラミッドなど、様々なテーマを持つイルミネーションスポットが点在します。来場者は自由に散策しながら、それぞれのスポットを楽しむことができます。毎年新たな装飾が加えられ、リピーターも飽きさせない工夫が凝らされています。

歴史と進化

光の花の庭の歴史は、園長を務めていた樹木医の塚本こなみが、レストランの客を楽しませようと設置した5頭のトナカイの電飾から始まりました。2002年の最初のイベントは「光の祭典」と題され、4万球の電球が使われました。以降、年々規模を拡大し、電球の数も増加。2002年の4万球から2021年には500万球へと進化を遂げています。

その進化の過程には、東日本大震災からの復興への願い、新型コロナウイルス感染症流行下での医療従事者への感謝の思いなどが込められ、社会情勢も反映されています。

アクセスと駐車場

最寄りの駅はJR両毛線あしかがフラワーパーク駅で、イベント期間中は西ゲートが開設されます。駅舎自体もイルミネーションを意識したデザインとなっており、列車の車窓からも美しい景色を眺めることができます。

イベント期間中は、大宮駅や立川駅などから臨時列車も運行され、足利駅や東武足利市駅からの無料シャトルバスも運行されていました。広大な敷地には最大6000台収容可能な臨時駐車場が用意されますが、交通渋滞が予想されるため、公共交通機関の利用が推奨されます。

まとめ

あしかがフラワーパークの光の花の庭は、その規模、美しさ、そして歴史と進化の過程から、多くの来場者を魅了する、日本を代表するイルミネーションイベントと言えるでしょう。幻想的な光の空間で、忘れられない冬の思い出を創造してみてはいかがでしょうか。

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