光る壁画

光る壁画

『光る壁画』（ひかるへきが）は、作家・吉村昭による小説作品です。1980年に読売新聞朝刊で連載され、翌年には新潮社から単行本が刊行されました。この作品は、胃カメラの開発という実話を基に、フィクションを交えて描かれています。その後、ラジオドラマやテレビドラマとしても映像化され、多くの人々に感動を与えました。

概要

この小説は、東京大学の医師たちが、カメラ会社と協力して胃カメラを開発したという実話に基づいています。物語では、開発者3人のうち、宇治達郎と杉浦睦夫は実名で登場しますが、深海正治は曾根菊男という架空の名前で描かれています。また、カメラ会社の名前も「オリオンカメラ」とされています。

小説内では、世界で初めて胃カメラを開発したとされていますが、史実では1898年にドイツで胃カメラが発明され、既に体内撮影が行われていました。しかし、初期の胃カメラは実用化には至らず、日本で開発されたものが初めて実用化に成功しました。本作は、実用化を目指し、困難を乗り越えて胃カメラ開発に情熱を注いだ人々の物語です。

物語の前半では、宇治らが開発した胃カメラは臨床現場では使い物にならず、半ば放棄されたような状態に陥ります。しかし、東大病院本院の﨑田隆夫をはじめ、研究を支援した深海、中坪寿雄、松橋章などの技術者や関係者たちが独自に研究を続け、ついに実用化に成功します。彼らの努力は、今日の内視鏡医療発展の礎となりました。

ラジオドラマ

1984年11月23日には、NHKラジオ第1放送にて「ラジオ週間特集 ワイドドラマスペシャル『光る壁画』：胃カメラの誕生」として、二部構成でラジオドラマが放送されました。

キャスト（ラジオドラマ）

榎木孝明
中井貴惠
有川博
坂部文昭

スタッフ（ラジオドラマ）

原作：吉村昭
脚本：山田正弘
演出：伊藤豊英
音楽：森ミドリ

テレビドラマ

2011年10月1日には、テレビ朝日系列で『オリンパスドラマスペシャル 光る壁画』として、オリンパスの一社提供によりテレビドラマが放送されました。視聴率は6.8%でした。このドラマでは、開発者の名前が一部変更されており、宇治達郎は梶哲朗、杉浦睦夫は松浦辰男、深海正治は原作と同じ曾根菊男という名前で登場します。

キャスト（テレビドラマ）

曾根菊男：佐藤隆太
曾根京子：加藤あい
梶哲朗：中村俊介
塚本修二郎：市川亀治郎
佐藤敏夫：寺島進
松浦安代：星野真里
今村始：塚本高史（友情出演）
坂上貞三：大杉漣
松浦辰男：萩原聖人
野口市雄：升毅
大畑光子：朝加真由美
鶴田忍
中山卓也
趙珉和
入山法子
趣里
ほか

スタッフ（テレビドラマ）

原作：吉村昭
脚本：後藤法子
監督：高橋伸之
音楽：遠藤浩二
特別協力：丹羽寛文
取材協力：今井光之助、寺田昌章、藤田安幸、東京大学医学部附属病院（健康と医学の博物館）、京都府立医科大学
資料協力：日本顕微鏡工業会、日本医科器械資料保存協会
零戦機レプリカ：大澤製作所（大澤克俊）
技術協力：IMAGICAウェスト
プロダクション協力：松竹京都撮影所
プロデューサー：田中芳之、西勇哉（テレビ朝日）／中嶋等、嶋村希保（松竹株式会社）
製作：テレビ朝日、松竹株式会社

出典

wikipedia 光る壁画

関連項目

オリンパス
プロジェクトX〜挑戦者たち〜の放送一覧 - 『ガンを探し出せ 完全国産・胃カメラ開発』2000年4月18日放送 (NHK総合テレビ)

外部リンク

ロケーションサービス 撮影レポート ドラマ「光る壁画」 - JR西日本
胃カメラを知っていますか - 胃カメラ開発者 杉浦睦夫のホームページ

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