光岡・ライク

光岡自動車 ライク：個性と実用性を兼ね備えたEV小型自動車

光岡自動車の「ライク」は、三菱自動車のi-MiEVをベースに開発された電気自動車です。2010年6月より販売が開始され、個性的なデザインと5名乗車可能な実用性を両立させたモデルとして注目を集めました。

デザインとボディ

ベースとなったi-MiEVを大幅に改良。前後バンパーやクロームメッキを施したフロントグリルを採用することで、重厚感と存在感を際立たせました。全長は3,570mmに延長され、軽自動車枠を超えた小型自動車サイズを実現。i-MiEVの4名乗車から5名乗車へと定員を増やし、後部座席と後部ドア内張りの形状変更、シートベルトの追加を行いました。タクシー用途への需要も考慮された設計となっています。ボディカラーは全5色（販売時期によって変更あり）が用意されていました。

内装と装備

室内空間は、5名乗車に対応した広々とした設計が特徴です。後部座席の快適性にも配慮されており、長時間の乗車でも疲れにくい工夫が施されています。装備面では、販売時期によって異なるものの、運転席と助手席シートヒーター、カーナビゲーションシステム、車両接近通報装置、ACCオートカット機能、ルームランプオートカット機能、ブレーキオーバーライド制御などが搭載されました。安全面では、アクティブスタビリティコントロール（ASC）の標準装備やドアミラーの大型化など、改良を重ねるごとに安全性能が向上しています。

販売と価格

価格は、ベース車のi-MiEVより30万円高い428万円（発売当初）から、モデル改良やグレード設定によって変動しました。政府によるEV補助金制度の対象となり、購入時の負担額を軽減できる点が魅力でした。販売は光岡自動車だけでなく、法人向け販売窓口として兼松とユアサM&Bも担当。納車やアフターサービスは三菱自動車の販売ディーラーが、ロードサービスは光岡自動車が提供していました。販売形態は、当初はメンテナンスリース方式が基本でしたが、後に現金販売も開始されました。

モデル改良と終売

2010年11月と2011年8月には、ベース車の改良に合わせた仕様変更が行われました。2010年11月の変更では、「プレミアムセレクション」にグリルメッキモールの追加、メンテナンスリースに加えて現金販売の開始などがありました。2011年8月のマイナーチェンジでは、グレードを「M」と「G」の2グレードに改め、ブレーキペダル連動回生ブレーキの追加による航続距離の向上、ASCの標準装備、ドアミラーの大型化などが行われ、安全性能と実用性がさらに向上しました。2012年7月、シートベルト安全基準の法改正により販売終了となりました。

車名の由来

「ライク（雷駆）」という車名は、「雷」の電気的なエネルギーを駆動の源とすることに由来しています。「Like」は、多くの人に好かれるクルマであってほしいという願いが込められています。

まとめ

光岡自動車「ライク」は、i-MiEVをベースに光岡自動車独自の個性と実用性を融合させたEV小型自動車でした。5名乗車可能な広々とした室内空間、充実した安全装備、そして政府の補助金制度も活用できる点が魅力でした。販売期間は短かったものの、個性的なデザインと実用性を両立させたモデルとして、多くのユーザーに記憶されている一台と言えるでしょう。

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