光嶋裕介

光嶋裕介（こうしま ゆうすけ、1979年 - ）は、日本の建築家であり、文筆家としても活躍しています。アメリカ合衆国ニュージャージー州で生まれ、幼少期をアメリカで過ごした後、日本に帰国。小学校卒業後には、父親の転勤に伴い、カナダのトロントやイギリスのマンチェスターで中学時代を送るなど、国際的な環境で育ちました。

早稲田大学本庄高等学院を経て、早稲田大学理工学部建築学科に進学。在学中は建築家の石山修武に師事し、2004年に大学院を修了しました。大学院修了後はドイツに渡り、ベルリンの建築事務所で4年間勤務。海外での実務経験を通じて、建築家としての基盤を築きました。

2008年に帰国し、自身の建築設計事務所「光嶋裕介建築設計事務所」を設立。2010年には、武道家で思想家の内田樹の自宅兼道場である「凱風館」を設計し、その独創的なデザインが注目を集めました。この作品は、SDレビュー2011に入選するなど、高い評価を受けています。

光嶋氏は、建築家としての活動に加えて、教育者としても活躍しています。2010年より桑沢デザイン研究所で教鞭を執り、2012年からは首都大学東京都市環境学部で助教を務めました。その後も、神戸大学で客員准教授、早稲田大学で非常勤講師を務めるなど、次世代の建築家育成にも尽力しています。

光嶋氏の建築作品には、「如風庵」や「旅人庵」「森の生活」などがあり、自然との調和や日本の伝統的な建築様式を取り入れたデザインが特徴です。これらの作品は、単なる建築物ではなく、そこに住む人々の生活や精神性にも深く関わる空間として捉えられています。一級建築士の資格も有しています。

また、光嶋氏は文筆家としても多くの著作を発表しています。著書には、『幻想都市風景 建築家・光嶋裕介ドローイング集』や『みんなの家。建築家一年生の初仕事』、『建築武者修行 放課後のベルリン』などがあり、建築に対する自身の考え方や設計思想を綴っています。これらの著書は、建築関係者だけでなく、一般の読者にも広く読まれています。また、海外でも翻訳出版されており、国際的にも注目されています。

私生活では、内田樹氏との縁で2011年から合気道を始め、公益財団法人合気会弐段を取得。2013年には合気道家で、凱風館助教・書生第1号の永山春菜と結婚し、一児の父となりました。家族との生活も、彼の創作活動に大きな影響を与えていると言えるでしょう。

光嶋裕介は、建築家、教育者、文筆家としての多彩な才能を発揮し、現代の建築界に新たな風を吹き込んでいます。その活動は、建築の可能性を広げるとともに、社会における建築の役割を問い続けています。

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