光禅寺

光禅寺の紹介

光禅寺（こうぜんじ）は、山形県山形市の鉄砲町に位置する曹洞宗の寺院で、天瀧山という山号を持っています。この寺院は、戦国時代の武将であり、最上家の菩提寺として知られる最上義光にいささかのゆかりがあります。

起源と歴史

光禅寺の歴史は慶長年間に遡ります。最上義光が自らの菩提寺を確立するため、当時現在の大石田町に存在した向川寺の春林禅冬を招いて開創されました。元々は250石の寺領を有し、当初の名称は「慶長寺」で、現在の七日町付近に位置していました。義光は慶長19年（1614年）に死去し、最初の葬儀は慶長寺で執り行われ、多くの家臣が殉死しました。それ以降、江戸幕府の社寺法規により寺名に年号を使用することが禁じられ、元和年間に最上家の家親によって光禅寺と改名されました。

元和8年（1622年）、最上氏は近江国大森藩に転封され、その後、磐城平藩から鳥居忠政が山形に移住します。忠政が父の菩提寺である長源寺を光禅寺に移転させることになったため、光禅寺は現在の位置に移され、義光の遺骸も改葬されました。この移転に際しては、多くの浪人が義光の遺骸を運ぶために集まり、また「三日町」という地名も寺の移転に合わせて変更されました。江戸時代には、光禅寺は義光から寄進された250石の朱印地を保持し続けており、その財政は安定していました。

しかし、明治27年（1894年）に発生した南部大火により、寺院の一部が全焼し、観音堂と鐘楼以外の多くの宝物や古文書が失われました。現代の本堂は大正2年（1913年）に再建されたものです。

境内と庭園

光禅寺の境内は約5000坪の面積を持ち、その中には約900坪の美しい庭園と115坪の本堂が存在します。境内には最上家の11代目義光や12代目家親、13代目義俊の墓、さらに義光の家臣たちの墓があります。特に庭園は江戸時代初期に作られたもので、遠州流心字の池を持つ名勝として山形市に指定されています。この庭園は、山形県内でも古い庭園の一つとして評価されており、東北地方でも著名な歴史的な場所です。

庭園には、斯波兼頼に関連する永和2年（1376年）に建立された板碑があり、これも山形市の有形文化財として保護されています。

交通アクセス

光禅寺へのアクセスは、山形駅から1.2キロメートルほどの距離で、山交バスに乗って六小前で下車後、約4分の距離にあります。観光名所として多くの人々に訪れられるこの寺院は、地域の歴史を感じられる貴重なスポットとなっています。

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