鳥居忠政

鳥居忠政の生涯

鳥居忠政（とりい ただまさ）は、安土桃山時代から江戸時代初期にかけて活躍した武将兼大名であり、徳川氏の忠実な家臣として知られています。彼は下総国矢作藩の第2代藩主、陸奥国磐城平藩主、さらに出羽国山形藩の初代藩主を務めた重要な人物です。官位は従四位下、左京亮に叙任されるなど、その地位は高かったです。

幼少期と家族背景

忠政は三河国渡村（現在の愛知県岡崎市）にて、父である鳥居元忠の次男として誕生しました。母は形原松平家の娘で、徳川秀忠のまた従兄弟に当たります。家族の背景は彼の後の生涯に重要な影響を与えることになります。

戦国時代の活動

天正12年（1584年）、忠政は徳川家康に従い小牧・長久手の戦いに参加。その後、天正14年（1586年）には家康と共に上洛し、従五位下・左京亮に叙任されるという出世を果たしました。これにより、彼の名声は次第に高まりました。

家督相続と関ヶ原の戦い

慶長5年（1600年）、父の元忠が伏見城の攻防戦で討ち死にし、長兄の康忠は早世していたため、忠政は家督を継ぎ、下総矢作藩の藩主となります。また、関ヶ原の戦いの際、忠政は江戸城の留守居役として家康の命令に従いました。戦後、父の戦功を認められ、陸奥国磐城平に10万石を与えられました。

陣中での功績

関ヶ原の戦いの後、彼は伏見城で父の遺品である「糸素縣縅二枚胴具足」の返還を受け、鈴木重朝にその具足を譲るという温情を示しました。この具足は後に鈴木家から大阪城天守閣に寄贈されました。また、忠政は両度の大坂の陣でも江戸城の留守居役を務め、徳川家の安定に寄与しました。

出羽山形藩への加増移封

元和8年（1622年）、最上氏の改易の後、忠政は出羽山形に22万石で加増移封されました。彼は妹婿の戸沢政盛や娘婿の酒井忠勝、さらには従弟の松平重忠らとともに、東北地方の諸大名を監視する役割を命じられました。これにより、徳川氏の安定した支配がさらに強固となりました。

最晩年と墓所

忠政は寛永5年（1628年）9月5日に山形で死去しました。享年63歳であり、彼の跡を長男の忠恒が継ぎました。彼の墓所は東京都文京区にある江岸寺にあります。彼の家系は後世に渡り武士としての名を残し、さまざまな領地での権力を持ち続けました。

系譜

忠政の父は鳥居元忠、母は松平家広の娘でした。正室には滝川雄利の養女、生駒家長の娘があり、側室には内藤氏がいました。子供には長男の鳥居忠恒、次男の戸沢定盛、三男の鳥居忠春がいます。また、彼は多くの娘を持ち、その中には各地の大名に嫁いだ者も含まれています。

豊かな人脈と多くの子孫を持った忠政は、徳川家にとって頼もしい存在でした。

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