兌

兌（だ、duì）

兌は、八卦の一つであり、喜びや満足感を象徴する卦です。卦の形は☱で表され、初爻と第2爻が陽爻、第3爻が陰爻という構成になっています。また、六十四卦の一つでもあり、その際は兌為沢（だいたく）と呼ばれ、兌卦が下卦と上卦に重なった形となります。

卦象

説卦伝によれば、兌卦は以下のような事物や概念を象徴します。

沢（たく）: 水が集まる場所、潤い
少女: 若々しい女性、愛らしさ
説（よろこぶ）: 喜び、満足、快楽
羊: 温順さ、従順さ
口: 言葉、コミュニケーション
西: 方位

兌卦は方位としては西を示し、これは地支の酉（とり）と一致します。納甲においては丁（ひのと）、五行では火、五方では南が当てられます。

先天図

伏羲先天八卦における兌卦の次序は二番目であり、方位は四隅卦の一つとして南東に位置します。陰陽の観点から見ると、兌卦は二つの陽爻を持ち、陽が極まる乾卦の一歩手前という段階にあります。

故事成語

麗沢は兌なり。君子以て朋友講習す（象伝）

この言葉は、並んだ沢がお互いを潤し合うように、君子も友人と議論や学習を通じて互いを高め合うべきだという教えを示しています。友人との切磋琢磨を通じて、自己の成長を促すことの重要性を説いています。

関連項目

* 麗澤大学: 大学名に「麗沢」の文字が含まれています。

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