児玉町 (台北市)

児玉町は、日本統治時代の台湾、台北市に設けられた行政区画の一つです。この町は、一丁目から四丁目までの区域に分かれており、当時の台北市の都市構造の一部を形成していました。具体的には、現在の台北市における南昌街一段と二段、湖口街、南海路、寧波西街、そして福州街の一部が、かつての児玉町に相当します。

児玉町の名前は、台湾総督を務めた児玉源太郎に由来します。児玉源太郎は、台湾の統治において重要な役割を果たし、その功績を記念して、この町が命名されました。この名称は、日本の植民地統治時代における歴史的な背景を今に伝えるものです。

町内には、いくつかの重要な施設が設置されていました。一丁目には、台湾総督府専売局（現在の台湾ビール本社）や、専売局樟脳工場（現在の財政部）がありました。これらの施設は、当時の台湾における専売制度を象徴するものであり、経済活動の中心的な役割を担っていました。

二丁目には、児玉町郵便局（現在の台北南海郵局）が設置されており、地域の郵便業務を担っていました。三丁目には、台湾軍司令官官邸（現在の陸軍聯誼庁）があり、軍事的な拠点としての役割を果たしていました。

そして、四丁目には南菜園（現在の南昌公園）がありました。南菜園は、当時の台湾において重要な場所であり、現在では国定史跡として保護されています。南昌公園として、地域の人々に親しまれています。

このように、児玉町は行政、経済、軍事、文化の各面で重要な施設が集中した地域であり、当時の台北市の様子を今に伝える貴重な場所です。名称の由来、町内の施設、位置関係などから、歴史的な背景と都市構造を理解することができます。日本統治時代の台湾を知る上で、児玉町は重要な場所であるといえるでしょう。

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