児玉裕一

児玉裕一：映像表現の魔術師

児玉裕一（こだま ゆういち）は、1975年生まれの日本の映像ディレクターです。CMやミュージックビデオを中心に、その独創的な映像表現で高い評価を獲得し、国内外の広告賞を数多く受賞しています。現在、映像クリエイティブ集団vivisionの代表を務め、多岐にわたる映像制作を手がけています。

科学者から映像作家へ

新潟県出身の児玉は、幼少期から化学への強い関心を抱き、東北大学理学部に進学します。しかし、大学2年生の頃、映像制作の世界に魅せられ、独学で映像制作技術を習得。化学者としての道を諦め、映像作家への道を歩み始めます。

大学卒業後は、広告業界で映像制作に携われると考えた児玉は、電通東日本に就職。しかし、配属されたのは新聞・雑誌広告の媒体部でした。制作現場とは縁遠い部署だったため、1年後に退社し、フリーランスとしてモーショングラフィックスの制作を始めます。

その後、仙台に戻り、地元のテレビ番組やCM制作に携わります。企画から撮影、編集、テロップ制作まで、一人でこなすDIYなスタイルで貴重な経験を積んでいきます。SPACE SHOWER TVからの番組制作オファーをきっかけに再び東京へ拠点を移し、そこで出会ったレコード会社関係者からミュージックビデオ制作の依頼を受け、本格的に映像ディレクターとしてのキャリアをスタートさせます。

国際的な評価とvivision設立

2006年には、映像クリエイティブ集団CAVIARに所属。2008年には、ユニクロのウェブ広告『UNIQLOCK』で、カンヌ国際広告祭、クリオ賞、ワン・ショーという世界三大広告賞のインターネット部門でグランプリを受賞するという快挙を成し遂げます。特にカンヌ国際広告祭のチタニウム部門は、広告全体の最高峰賞として知られており、この受賞は日本にとって大きな意義を持つものでした。

2013年には、自身の会社vivisionを設立し、独立。これ以降も、数多くのアーティストのミュージックビデオや、様々な企業のCMを手がけ、その表現力はますます洗練されていきます。2016年には、リオデジャネイロオリンピック閉会式での東京の紹介映像のチーフ映像ディレクターを務め、日本のアニメやゲームのキャラクターを起用した、世界中を魅了する映像作品を制作しました。

多彩な才能と受賞歴

児玉は、実写とCGやアニメーションを違和感なく融合させる独自の映像技術を持っています。また、VJやライブ演出なども手掛け、その才能は多岐に渡ります。MTV Video Music Awards JapanやSPACE SHOWER Music Video Awardsなど、数々の賞を受賞しており、そのクリエイティブな才能は世界的に高く評価されています。

代表的な作品

児玉裕一が手掛けた作品は実に多岐に渡ります。数えきれないほどのミュージックビデオ制作においては、椎名林檎、東京事変、Perfume、Base Ball Bearなど、多くの有名アーティストの作品に参加。その独特な映像表現は、楽曲の世界観を鮮やかに彩り、アーティストの個性を際立たせています。CM制作においても、数々の話題作を生み出し、日本の広告業界に大きな影響を与えています。

代表的な作品としては、ユニクロ『UNIQLOCK』、様々なアーティストのミュージックビデオ、そしてリオオリンピック閉会式での東京紹介映像などが挙げられます。これらの作品を通して、児玉裕一は、見る者の心を掴む、記憶に残る映像表現を追求し続けています。

継続的な挑戦

児玉裕一は、常に新しい技術や表現方法に挑戦し続け、映像制作の領域を拡げ続けています。これからも、彼の創造性豊かな映像作品から目が離せません。

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