児童委員

児童委員について

児童委員（じどういいん）とは、日本の各市町村に設置された民間の奉仕者で、児童福祉法第16条に基づいてその役割が定められています。彼らの職務は、主に地域の児童や妊産婦の生活環境を把握し、必要な福祉サービスや支援を提供することです。

概要

児童委員は、民生委員を兼任することが法律で求められています。民生委員に就任する際には、「市町村の議会の議員の選挙権を有する者」でなければならず、人格識見が高く、社会の実情に詳しい人が求められます。これにより児童委員は日本国籍を持つ成年者であることが必須要件となっています。

また、児童委員の解任については、厚生労働大臣の指名に基づき、地方社会福祉審議会の同意を得る必要があります。このように、児童委員には厳しい資格要件が設定されており、その役割の重要性が伺えます。

職務内容

児童委員が担う主な職務は以下の通りです（児童福祉法第17条）。

1. 生活状況の把握：児童及び妊産婦の生活や環境を継続的に観察し、必要な情報を収集します。
2. 情報提供及び支援：彼らが必要とする福祉サービスを利用できるように、情報提供や支援を行います。
3. 連携活動：児童福祉に関わる事業者や活動者と密に協力し、地域の福祉活動をサポートします。
4. 協力関係の構築：児童福祉司や福祉事務所の職員と協力しながら、その職務を円滑に進めるよう努めます。
5. 育成への取り組み：児童の健全な育成を促進するための活動を行い、地域社会の理解を深めていきます。
6. 福祉の増進活動：状況に応じて、自らが主導して福祉の向上を図る活動を展開します。
7. 売春防止活動への協力：売春防止法に関連する業務にも参加し、婦人相談所や相談員との協力を行います。
8. 母子・父子福祉への支援：母子及び父子福祉法に基づく支援にも参与し、必要な業務を行います。

児童委員は、市町村長からの指導のもと、職務を遂行します。特に、福祉が必要な人々への支援に関して、適切なデータを収集したり、関連機関に情報を伝える役割を果たします。情報伝達の際には、場合によっては市町村長を経由する必要があるため、慎重な対応が求められます。

主任児童委員について

主任児童委員は、通常の児童委員の中から特別に指名される者で、都道府県知事や市町村の民生委員推薦会による推薦を受けます。主任児童委員の役割は、児童委員の活動の調整と支援を行い、適切な連携がなされるよう心掛けることです。これにより、児童福祉に関する取り組みが一層向上します。

まとめ

児童委員は地域社会において重要な役割を果たしており、児童や妊産婦の福祉を進めるための努力をしています。その活動は、多岐にわたる支援や連携を通じて、より良い福祉環境の実現を目指しています。

もう一度検索