児童自立支援施設

児童自立支援施設とは

児童自立支援施設（じどうじりつしえんしせつ）は、犯罪や不良行為の恐れがある児童、または生活指導が必要な児童に対して、入所または通所によって支援を行う児童福祉施設です。この施設の主な目的は、必要な指導を通じて児童の自立を促進することです。また、退所後の児童に対しても相談や援助を行うなど、継続的な支援が行われています。これらの施設は、児童福祉法第44条に基づいて設置されています。

歴史

日本では、非行少年や保護者のいない少年に対する保護と教育が明治初期から施行されてきました。その起源は、1870年代末に民間の篤志者によって設けられた感化院に遡ります。1900年には感化法が制定され、各都道府県に感化院の設置が法律で義務付けられました。感化院は教育的保護を目的とし、法律で定められた矯正施設である少年院とは異なる役割を持っていました。

その後、1933年の少年教護法によって「少年教護院」と改名され、1947年には現在の児童福祉法に基づく「教護院」へと名称が変更されました。1998年4月には、現行の「児童自立支援施設」という名称に改名され、今日に至ります。

設置と運営

児童自立支援施設は、児童福祉法と関連法令に基づき国、都道府県、政令指定都市によって設置されています。具体的な施設の運営については、厚生労働省が定めた基準に従い、透明性を持って行われています。1997年の法改正により、施設外の学校から教師を呼び、学校と同じ教育環境が提供されるようにもなりました。

現在、日本全国には58カ所の児童自立支援施設が存在し、その内訳は国立2施設、都道府県立50施設、市立4施設、私立2施設となっています。具体的には、北海道、東京都、大阪府がそれぞれ2施設を設置しています。政令指定都市でも、横浜市、名古屋市、大阪市、神戸市が各1施設を設置しています。また、大阪府堺市でも新たな設置が進められています。

施設の性別区分に関しては、国立・私立の施設は男女を分けていますが、都道府県立や市立の施設では男女共用の形式が取られています。ただし、居室は男女別に設けられています。

初の感化院

日本初の感化院は、1883年に池上雪枝によって設立された「池上感化院」とされており、この施設は大阪の自宅で創設されました。これは、児童の自立支援に向けた取り組みの先駆けであり、その後の制度へとつながる重要な一歩となりました。

まとめ

児童自立支援施設は、社会の底辺で支援を必要としている児童のために設けられた特別な施設であり、彼らが自立した生活を送るためのサポートを行う重要な役割を担っています。教育と生活指導を通じて、児童の未来を切り開くための支援を提供するこの施設は、社会全体の福祉向上にも寄与しています。

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