全力投球!!妹尾和夫です
『全力投球!!妹尾和夫です』は、2003年9月29日から2009年7月3日までの期間、ABCラジオ（朝日放送）にて平日午前9時から午後1時20分まで、約4時間半にわたり生放送されたラジオ番組です。俳優・タレントの妹尾和夫がパーソナリティを務め、その人間味あふれる語り口とリスナー、スタッフとの掛け合いが人気を博しました。
この番組は、妹尾和夫と高野あさおが出演していた土曜早朝のワイド番組『フレッシュアップモーニング ファイト!DO曜日です』が、2003年7月に日本民間放送連盟賞のラジオ生ワイド部門で最優秀賞を受賞したことを機に、平日帯の大型ワイド番組として企画されました。2003年9月29日に放送を開始し、前身番組で好評だった一部コーナー（リスナーへの生電話、金曜のクイズ、体操など）が引き継がれました。
番組開始当初は、妹尾和夫自身も4時間20分という長時間の生放送に戸惑う様子も見られましたが、放送を重ねるにつれて、パーソナリティ、スタッフ、リスナーという三位一体となった番組独特のスタイルを確立していきました。番組を支えるスタッフには、「出たがりスタッフ」（初期）、「全力投球ワンダーフォー」（中期）、「トークバックス」（後期）といった愛称がつけられ、番組の一員としてリスナーにも親しまれました。
番組タイトルである「全力投球」は、パーソナリティである妹尾和夫が小学生の頃、交通事故で入院中に慰問に訪れた元阪神タイガースの村山実から、その「ザトペック投法」にちなんで「全力投球」という言葉をかけられたという、妹尾自身の原体験に基づいています。
パーソナリティ: 妹尾和夫（番組開始～終了まで）
アシスタント:
高野あさお（初代 月～木担当、番組開始～2008年3月）
熊本麻美（2代目 月～木担当、2008年3月～番組終了）
安井牧子（金曜担当、番組開始～終了まで）
金曜レギュラー: 岩崎なおあき（番組開始～終了まで）
番組は朝から昼過ぎまでの長時間にわたり、多様なコーナーで構成されていました。
オープニング: 午前9時の開始時には、「人生晴れたり曇ったり」という番組のテーマを唱和。前番組『おはようパーソナリティ道上洋三です』の内容や、妹尾の個人的な近況、天気などからトークを展開。リスナーからのお便り紹介なども行われ、日々の話題を深掘りしていきました。
9時台後半: ニュースや天気予報に続き、国内外の時事問題やエンタメ情報を取り上げる「○曜ワイドショー」や、世界の少しユニークなニュースを紹介する「We are the world」などが放送されました。
10時台 中継・スタジオ: 11時台の中継コーナーの事前リポートを行う「駅前特派員」（初期、JR西日本提供）から「でたとこ!特派員」への変遷がありました。これはJR福知山線脱線事故の影響でスポンサーが降板したことによるものです。スタジオでは、新聞・雑誌記事から話題を紹介する「おとなの学校」や、ゲストを招いてのインタビュー、ファイナンシャルプランナーによる生活情報を届ける「妹尾なんでも研究所」が放送されました。金曜日はレギュラー陣によるリポートコーナーが人気でした。
11時台 日替わりコーナー: 各曜日の個性が光るコーナーが並びました。
月曜日：「歌謡曲解体新書」 - 妹尾の独自解釈で歌謡曲の歌詞を分析。
火曜日：「かずオーマイゴッド!」 - リスナーの悲惨・恥ずかしい体験談を紹介。
水曜日：「和夫ライダー☆チリンチリン」 - リスナーからの悩み相談。
木曜日：「必殺!和夫侍」 - 妹尾扮するキャラクターがリスナーの恨みネタを「成敗」。
金曜日：「男と女のシークレットゾーン」 - リスナーの秘めた思いや体験談を、安井牧子らが紹介。
11時台 中継: 月～木曜日はABCの若手アナウンサーや女性リポーターが担当する「おでかけリポート」。関西各地の店やイベントから生中継を行いました。木曜日はライオン提供時期があり、お店の情報をクイズ形式で紹介するユニークな演出がありました。金曜日は唐川満知子による住宅展示場からの「あっちこっちハウジング」でした。
12時の時報あけ: 長時間番組ならではの工夫として、午後の開始を告げるため、再びオープニングの決めセリフを言って番組を「仕切り直す」演出がありました。
なにしてまんねん どこでんねん: 3コール以内に電話に出たリスナーに賞金や番組グッズをプレゼントする看板企画。妹尾とのフリートークが展開されました。出られなかった場合の賞金は翌日に積み立てられました。
ニュース一直線: ABCのニュースデスクが最新ニュースや気になる話題を解説するコーナー。
和夫にクイズ!: 木曜日の人気企画。妹尾自身がクイズ問題を読み、解答・解説を行う変則クイズ。正解・不正解に応じて妹尾やスタッフの「罰金」が発生するシステムがあり、妹尾の年齢に合わせたパロディ的なタイトル名も特徴でした。
クイズ!セレナーデ: 松井桂三がバイオリンの音色で出題するクイズ。リスナーも参加し、正解者には抽選で賞金が贈られました。妹尾のカンニング疑惑など、スタジオのやり取りも楽しませました。
12時台後半: リスナーからのリクエスト曲をかける「レコードどーこれ?」（月～木）や、田中美紀子による「ミッキー先生のウキウキ体操!」（金）などが放送されました。
番組を象徴するシステムの一つに「甘えん坊賞金」がありました。妹尾和夫が放送中に「甘え」「言い訳」「エロいこと」などを言うと、「暴れん坊将軍」のBGMと共に妹尾の財布から罰金500円が徴収されるというものです。貯まった賞金はリスナープレゼントとして還元されました。これは妹尾以外の出演者に適用されることもありました。
また、番組内では様々なタイミングでユニークな効果音が多用されました。例えば、妹尾の発言がくどい時の「わかった わかった」、妙な自慢話への「ブーイング音」、オチがいまいちな時の「ちゃんちゃん」、アマチュアなのに「プロ」を自称する妹尾へのキダ・タローの声による「アマチュアや言うてるやろ」、セクハラ発言や自慢話が長い時の「おだまり!」、番組末期に登場した「妹尾さん、おリンゴいかがですか?」など、それぞれの効果音が番組の空気を作り出す重要な要素となっていました。
聴取率調査期間中には「妹尾和夫強化」と銘打った特別企画が実施されました。川柳や短歌の披露、「一人でおでかけ」、他の番組パーソナリティとの「勝負」、リスナーの感動お便りで涙を誘う企画、そして『パネルクイズ アタック25』への出場を目指すクイズ企画など、妹尾のキャラクターを掘り下げ、リスナー参加を促す企画が展開されました。
番組は毎年、周年記念イベントを大阪市内のホールなどで開催し、多くのリスナーが来場しました。また、ABCラジオ全体のイベントにも積極的に参加し、公開生放送も複数回実施されました。
番組に関連する商品やグッズも多数生まれました。番組内で葉書が読まれたリスナーには「ザトペックタオル」「ポストカード」「千社札シール」の三点セットが、特定のコーナーではパーソナリティの顔が浮かび上がる「魔法の湯のみ」やABCラジオグッズの「キュキュラジオ」がプレゼントされました。
特に注目されたのは、スタッフ制作の楽曲から生まれたCD「おかあさんのカレー」です。インディーズながらオリコンデイリーチャート19位、ウィークリーチャート30位を記録する異例のヒットとなり、テレビの情報番組でも紹介されました。番組の公式ガイドブック『カズぼん』や、周年記念グッズ、そして山崎製パンとのコラボによる「ヤマザキメロンパンサンド（つぶあん）」も約145万個を売り上げる大ヒット商品となりました。この他にも、年越しそばや妹尾和夫名義の楽曲CDなども企画されました。
『全力投球!!妹尾和夫です』は、「ABCラジオの編成上の事情」により、2009年7月3日の放送をもって終了しました。後継番組には、土曜早朝から時間帯を移動した『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』が充てられました。
しかし、番組終了から約9ヶ月後の2010年4月6日、ABCラジオ「ABCパワフルアフタヌーン」枠の火曜日で、『とことん全力投球!!妹尾和夫です』として番組が実質的に復活。妹尾和夫と金曜アシスタントだった安井牧子が出演し、形を変えて妹尾の「全力投球」が再開されました。
約6年にわたり放送された『全力投球!!妹尾和夫です』は、パーソナリティとリスナー、スタッフが一体となったアットホームな雰囲気と、個性的なコーナー、ユニークな企画の数々で、多くのリスナーに愛された伝説的なワイド番組となりました。
番組開始の背景とコンセプト
この番組は、妹尾和夫と高野あさおが出演していた土曜早朝のワイド番組『フレッシュアップモーニング ファイト!DO曜日です』が、2003年7月に日本民間放送連盟賞のラジオ生ワイド部門で最優秀賞を受賞したことを機に、平日帯の大型ワイド番組として企画されました。2003年9月29日に放送を開始し、前身番組で好評だった一部コーナー（リスナーへの生電話、金曜のクイズ、体操など）が引き継がれました。
番組開始当初は、妹尾和夫自身も4時間20分という長時間の生放送に戸惑う様子も見られましたが、放送を重ねるにつれて、パーソナリティ、スタッフ、リスナーという三位一体となった番組独特のスタイルを確立していきました。番組を支えるスタッフには、「出たがりスタッフ」（初期）、「全力投球ワンダーフォー」（中期）、「トークバックス」（後期）といった愛称がつけられ、番組の一員としてリスナーにも親しまれました。
番組タイトルである「全力投球」は、パーソナリティである妹尾和夫が小学生の頃、交通事故で入院中に慰問に訪れた元阪神タイガースの村山実から、その「ザトペック投法」にちなんで「全力投球」という言葉をかけられたという、妹尾自身の原体験に基づいています。
出演者
パーソナリティ: 妹尾和夫（番組開始～終了まで）
アシスタント:
高野あさお（初代 月～木担当、番組開始～2008年3月）
熊本麻美（2代目 月～木担当、2008年3月～番組終了）
安井牧子（金曜担当、番組開始～終了まで）
金曜レギュラー: 岩崎なおあき（番組開始～終了まで）
主なコーナー紹介
番組は朝から昼過ぎまでの長時間にわたり、多様なコーナーで構成されていました。
オープニング: 午前9時の開始時には、「人生晴れたり曇ったり」という番組のテーマを唱和。前番組『おはようパーソナリティ道上洋三です』の内容や、妹尾の個人的な近況、天気などからトークを展開。リスナーからのお便り紹介なども行われ、日々の話題を深掘りしていきました。
9時台後半: ニュースや天気予報に続き、国内外の時事問題やエンタメ情報を取り上げる「○曜ワイドショー」や、世界の少しユニークなニュースを紹介する「We are the world」などが放送されました。
10時台 中継・スタジオ: 11時台の中継コーナーの事前リポートを行う「駅前特派員」（初期、JR西日本提供）から「でたとこ!特派員」への変遷がありました。これはJR福知山線脱線事故の影響でスポンサーが降板したことによるものです。スタジオでは、新聞・雑誌記事から話題を紹介する「おとなの学校」や、ゲストを招いてのインタビュー、ファイナンシャルプランナーによる生活情報を届ける「妹尾なんでも研究所」が放送されました。金曜日はレギュラー陣によるリポートコーナーが人気でした。
11時台 日替わりコーナー: 各曜日の個性が光るコーナーが並びました。
月曜日：「歌謡曲解体新書」 - 妹尾の独自解釈で歌謡曲の歌詞を分析。
火曜日：「かずオーマイゴッド!」 - リスナーの悲惨・恥ずかしい体験談を紹介。
水曜日：「和夫ライダー☆チリンチリン」 - リスナーからの悩み相談。
木曜日：「必殺!和夫侍」 - 妹尾扮するキャラクターがリスナーの恨みネタを「成敗」。
金曜日：「男と女のシークレットゾーン」 - リスナーの秘めた思いや体験談を、安井牧子らが紹介。
11時台 中継: 月～木曜日はABCの若手アナウンサーや女性リポーターが担当する「おでかけリポート」。関西各地の店やイベントから生中継を行いました。木曜日はライオン提供時期があり、お店の情報をクイズ形式で紹介するユニークな演出がありました。金曜日は唐川満知子による住宅展示場からの「あっちこっちハウジング」でした。
12時の時報あけ: 長時間番組ならではの工夫として、午後の開始を告げるため、再びオープニングの決めセリフを言って番組を「仕切り直す」演出がありました。
なにしてまんねん どこでんねん: 3コール以内に電話に出たリスナーに賞金や番組グッズをプレゼントする看板企画。妹尾とのフリートークが展開されました。出られなかった場合の賞金は翌日に積み立てられました。
ニュース一直線: ABCのニュースデスクが最新ニュースや気になる話題を解説するコーナー。
和夫にクイズ!: 木曜日の人気企画。妹尾自身がクイズ問題を読み、解答・解説を行う変則クイズ。正解・不正解に応じて妹尾やスタッフの「罰金」が発生するシステムがあり、妹尾の年齢に合わせたパロディ的なタイトル名も特徴でした。
クイズ!セレナーデ: 松井桂三がバイオリンの音色で出題するクイズ。リスナーも参加し、正解者には抽選で賞金が贈られました。妹尾のカンニング疑惑など、スタジオのやり取りも楽しませました。
12時台後半: リスナーからのリクエスト曲をかける「レコードどーこれ?」（月～木）や、田中美紀子による「ミッキー先生のウキウキ体操!」（金）などが放送されました。
甘えん坊賞金とユニークな効果音
番組を象徴するシステムの一つに「甘えん坊賞金」がありました。妹尾和夫が放送中に「甘え」「言い訳」「エロいこと」などを言うと、「暴れん坊将軍」のBGMと共に妹尾の財布から罰金500円が徴収されるというものです。貯まった賞金はリスナープレゼントとして還元されました。これは妹尾以外の出演者に適用されることもありました。
また、番組内では様々なタイミングでユニークな効果音が多用されました。例えば、妹尾の発言がくどい時の「わかった わかった」、妙な自慢話への「ブーイング音」、オチがいまいちな時の「ちゃんちゃん」、アマチュアなのに「プロ」を自称する妹尾へのキダ・タローの声による「アマチュアや言うてるやろ」、セクハラ発言や自慢話が長い時の「おだまり!」、番組末期に登場した「妹尾さん、おリンゴいかがですか?」など、それぞれの効果音が番組の空気を作り出す重要な要素となっていました。
妹尾和夫強化関連企画
聴取率調査期間中には「妹尾和夫強化」と銘打った特別企画が実施されました。川柳や短歌の披露、「一人でおでかけ」、他の番組パーソナリティとの「勝負」、リスナーの感動お便りで涙を誘う企画、そして『パネルクイズ アタック25』への出場を目指すクイズ企画など、妹尾のキャラクターを掘り下げ、リスナー参加を促す企画が展開されました。
イベントと関連商品
番組は毎年、周年記念イベントを大阪市内のホールなどで開催し、多くのリスナーが来場しました。また、ABCラジオ全体のイベントにも積極的に参加し、公開生放送も複数回実施されました。
番組に関連する商品やグッズも多数生まれました。番組内で葉書が読まれたリスナーには「ザトペックタオル」「ポストカード」「千社札シール」の三点セットが、特定のコーナーではパーソナリティの顔が浮かび上がる「魔法の湯のみ」やABCラジオグッズの「キュキュラジオ」がプレゼントされました。
特に注目されたのは、スタッフ制作の楽曲から生まれたCD「おかあさんのカレー」です。インディーズながらオリコンデイリーチャート19位、ウィークリーチャート30位を記録する異例のヒットとなり、テレビの情報番組でも紹介されました。番組の公式ガイドブック『カズぼん』や、周年記念グッズ、そして山崎製パンとのコラボによる「ヤマザキメロンパンサンド（つぶあん）」も約145万個を売り上げる大ヒット商品となりました。この他にも、年越しそばや妹尾和夫名義の楽曲CDなども企画されました。
番組の終焉、そして復活へ
『全力投球!!妹尾和夫です』は、「ABCラジオの編成上の事情」により、2009年7月3日の放送をもって終了しました。後継番組には、土曜早朝から時間帯を移動した『ドッキリ!ハッキリ!三代澤康司です』が充てられました。
しかし、番組終了から約9ヶ月後の2010年4月6日、ABCラジオ「ABCパワフルアフタヌーン」枠の火曜日で、『とことん全力投球!!妹尾和夫です』として番組が実質的に復活。妹尾和夫と金曜アシスタントだった安井牧子が出演し、形を変えて妹尾の「全力投球」が再開されました。
約6年にわたり放送された『全力投球!!妹尾和夫です』は、パーソナリティとリスナー、スタッフが一体となったアットホームな雰囲気と、個性的なコーナー、ユニークな企画の数々で、多くのリスナーに愛された伝説的なワイド番組となりました。
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