全国労働組合連絡協議会 (1989-)

全国労働組合連絡協議会の概要

全国労働組合連絡協議会（全労協）は、日本の労働団体の一つで、他のナショナルセンターである日本労働組合総連合会（連合）や全国労働組合総連合（全労連）と異なり、特定の大きな団体に属さない労働組合の共闘組織です。この組織は、1989年に設立され、「たたかう、まともな労働運動」というスローガンのもと、左派的な立場を持つ組合を中心に活動を行っています。

歴史的背景

全労協の結成は、1989年にさかのぼります。日本労働組合総評議会（総評）と全日本労働総同盟（同盟）という二大労働組合連合が、労働戦線の統一を目指して連合を結成しました。この動きは一部の労働組合にとっては右傾化と映り、特に日本共産党との密接な関係を持つ全労連が新たに結成されました。そうした中で、社民党系の組合は、連合や全労連に属さない独自の道を選び、全労協を組織しました。

全労協の設立に関与したのは、総評の元議長や事務局長であり、彼らの経験が今の運動に生かされています。このようにして、全労協は約11万人の組合員を持ち、全国規模での労働運動を展開しています。

活動内容

全労協は年に1回、定期大会を開催しており、最近では2012年に第24回大会を行いました。加盟組合員の数は、2019年には107,618人とされていますが、連合の約65分の1、全労連の約7分の1という小規模な組織であり、したがって全体の労働運動においては影響力が限られています。それでも、全国に広がる他の組織との連携を通じて、「労働組合の完全統一行動」を求める象徴的な役割を果たしています。

政治的には、社会民主党や新社会党と緊密な関係を持っており、護憲や平和運動、反戦運動などの柱を掲げて活動を行っています。国鉄問題への対応など、特定の問題においては連合や全労連とも協力したり、一方で全日建や新左翼勢力とも共闘することもあります。

メーデーの活動

毎年5月1日には、東京の日比谷野外音楽堂でメーデーの集会が開催されます。2016年以降、全労連との協力が強化され、双方の来賓が互いのイベントに参加することで、連携を深めています。このような活動を通じて、全労協は労働運動の一員としての立場を確立しています。

加盟組合

全労協には多くの地方協議会があり、例えば宮城全労協、東京全労協、大阪全労協などがあります。また、各地方の労働組合共闘会議との連携も図っており、様々な地域での活動を展開しています。

輩出議員

全労協からは社会民主党所属の参議院議員である大椿裕子副党首が輩出されています。彼女は、加盟組合である大阪教育合同労働組合の執行委員長を務めていた経験があります。

結論

全国労働組合連絡協議会は、日本の労働運動においてその特異な立場と活動を持ちながら、労働者の権利を守るために尽力しています。その活動はさまざまな地域や組織との協力を通じて、労働運動の活性化に寄与しています。

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