全国労働組合総連合

全国労働組合総連合（全労連）について

全国労働組合総連合（全労連）は、日本の労働組合の全国的な中央組織であり、その役割は労働者の権利を守り、生活向上を図ることにあります。1989年に設立されたこの組織は、官公労労組や公務員組合を中心とした連携を特徴としており、共産党支持の労働組合が集まっている点で特異な立場にあります。全労連は、選別的な労働戦線の再編に反対し、地域と産業別の闘いを結合することを基本方針としています。

設立の背景

全労連は、1980年代後半に日本の労働運動が揺れ動く中で誕生しました。当時の労働界は、労使協調路線を重視する「連合」への批判が高まり、労働者の権利を守る新たなナショナルセンターの必要性が叫ばれていました。全労連は、産業別の労働組合のみならず、都道府県単位の組合も加盟できる仕組みを取っており、全国の労働者が一丸となって行動できる体制を整えています。

構成と議決機関

全労連の最高議決機関は、全労連大会であり、各加盟組合から選出された代議員によって構成されています。定期的に開催されるこの大会では、加盟組合の意見を集約し、方針や活動の方向性を決定しています。また、青年部や女性部、非正規センターなど専門の部会を作り、多様な意見を反映させる努力も行っています。

組織と活動

全労連の加盟組合は、主に公務員組合で、全体の組合員数は減少傾向にありますが、各地で「総対話」や「共同」の活動を通じて組織拡大を目指しています。組合員数は2019年6月末で約75万5000人に達し、その規模は時を経るごとに変動しています。組織強化計画を進める中で、新たな組合の結成や加盟も進められています。

社会的使命

全労連は、「健康で文化的な生活」の実現や、「福祉国家」の構築を目指しており、国際労働機関（ILO）が提唱する「ディーセント・ワーク」の理念を持ちながら、その具体化に取り組んでいます。国際的な連帯も重視しており、他国の労働者との協力関係を強化する活動にも力を入れています。これにより、労働者全体の権利を守るための運動を展開しています。

政治的活動

全労連は、最低賃金の引き上げや労働法制の改善等、幅広い政治的活動を行っています。特に、憲法や労働政策などの社会的課題に対しては、野党と連携しながら積極的に声を上げています。また、SEALDsのデモや、男女共同参画の活動にも関与しており、社会のさまざまな問題に対して広範な活動をしています。

結論

全労連は、日本における労働組合の中で、独自の立場を持ちながら労働者の権利を守るために日々努力を重ねています。労働者の声を反映し、社会における労働問題に積極的に関与する姿勢は、今後も重要な役割を果たしていくでしょう。

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