全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会

全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会：大学ラグビーのもう一つの舞台

全国地区対抗大学ラグビーフットボール大会は、大学ラグビー選手権に出場できない、もしくは出場資格のない大学チームによる全国大会です。

「もう一つの大学ラグビー選手権」とも呼ばれるこの大会は、日本ラグビーフットボール協会が主催し、毎年12月末から1月にかけて開催されます。

大会概要

1950年、大学選手権よりも14年も早くスタートした歴史ある大会です。当初は「全国新制大学ラグビーフットボール大会」という名称でしたが、幾度かの改称を経て、現在の名称になりました。

当初は限られた地域からの参加でしたが、1993年の大学選手権の改革（出場校数の増加など）に伴い、北海道、東北、東海、中国、四国といった地方のチームにも出場機会が拡大されました。これにより、各地方リーグで優勝したチームが大学選手権への代表決定戦に参加し、それ以外のチームが地区対抗に参加するシステムが確立しました。

会場は長年に渡りパロマ瑞穂ラグビー場が使用されており、8チームによるトーナメント方式で優勝が決定します。

2022年度からは、試合日程が変更され、中3日間のインターバルが設けられるようになりました。これにより、1回戦は12月29日、準決勝は1月2日、決勝は1月6日に行われるようになりました。過去には、中1日のみで開催されていた時期もありました。

名城大学が9回と最多優勝を誇り、西南学院大学、福岡大学、東京都市大学（旧武蔵工業大学）が6回優勝しています。

大会沿革

1950年（第1回）：名古屋市瑞穂公園ラグビー場で開催
1953年（第4回）：大会名変更
1966年（第17回）：現在の大会名に改称
1988年、1989年（第39回、第40回）：瑞穂ラグビー場改修工事のため、愛知県口論義運動公園で開催
1993年（第44回）：大学選手権の出場校数増加に伴い、参加地区拡大
2020年（第71回）：新型コロナウイルス感染症の影響により、札幌大学の出場辞退と無観客開催
2022年（第73回）：試合日程の変更（中1日→中3日）

出場権

近年は、関東、関西、九州の各協会に加盟する大学チームを全国の地区に分け、地区内の試合結果により代表校を決定しています。各地区の代表選出方法は、大学選手権への出場ルートと複雑に関連しており、関東以外の地区では、地区対抗専用の予選は行われていません。また、地区代表が必ずしもその地区の優勝校とは限らないため、選出方法は地区の事情によって異なります。

出場チームの決定方法（2023年度）

各地区の代表選出方法は、以下の通りです。

北海道地区：北海道チャンピオンシップの部1位チーム（大学選手権出場の場合は2位チーム）
東北地区：北日本大学ラグビーフットボール交流戦東北リーグ代表2チームのうち、交流戦で2位以下のチーム（2チームの場合は上位1チーム）
関東1区：「関東1区1部リーグ」優勝チーム
関東2区：「関東2区代表決定トーナメント」優勝チーム
東海北陸地区：「東海北陸地区代表決定戦」勝者
近畿地区：「関西大学Bリーグ」関西協会推薦チーム
中四国地区：「全国大学選手権 兼 全国地区対抗大学大会 中四国地区代表決定トーナメント」準優勝チーム
* 九州地区：「九州学生ラグビーリーグ」5位チーム

大会は、大学ラグビー界において、大学選手権に出場できないチームにも全国レベルの舞台を提供し、選手たちの成長と発展に大きく貢献しています。また、各地区の個性豊かなチームがしのぎを削る熱い戦いは、多くのラグビーファンを魅了し続けています。

参考文献

日比野弘の日本ラグビー全史 325-327ページ

外部リンク

日本ラグビーフットボール協会

もう一度検索