全国犯罪被害者の会

全国犯罪被害者の会について

全国犯罪被害者の会（通称：あすの会）は、2000年に設立された犯罪被害者支援の組織です。この会は、日本における犯罪被害者の権利を確立し、被害者支援制度を整備することを目指しています。2018年まで活動していたこの団体は、2022年に新たに「新全国犯罪被害者の会」として再結成されました。本記事では、あすの会の設立背景や活動内容、取得した成果、新あすの会について詳しく説明します。

設立の背景

あすの会の設立は、元日本弁護士連合会副会長の岡村勲に起因します。彼は、1997年に妻を殺害され、法廷で犯罪被害者としての権利が存在しないことに直面しました。この状況から、生存者や遺族が一堂に会し、権利の確立を求める運動が始まりました。2000年1月23日に開催されたシンポジウム「犯罪被害者は訴える」をきっかけに、広く一般市民へと訴える活動が展開されました。

当時、日本における被害者への公的支援は限られており、被害者は捜査に協力を強いられる一方、裁判へは疎外されていました。岡村は、この現状を改善するための草の根運動を立ち上げ、遺族の声を活かした取り組みを進めました。

主要な活動と結果

あすの会の活動は、国や社会に対して犯罪被害者の権利と制度の改革を求めるものでした。彼らは、次のような重要な成果を上げました。

1. 犯罪被害者等基本法（2004年） - この法律により、犯罪被害者の権利が初めて法的に認められました。
2. 被害者参加制度 - 被害者が刑事裁判に直接参加し、意見を述べることができるようになりました。
3. 損害賠償命令制度 - 刑事裁判において速やかに損害賠償命令を出せるようになりました。
4. 公訴時効の廃止 - 重大犯罪においては、容疑者が逃げることを許さない法律が成立しました。

特に、被害者等給付金支給法の改正では、経済的な補償が充実し、被害者支援が強化されました。これらの改革は、司法制度における被害者の立場を大きく向上させ、国民が犯罪被害者の権利を理解する手助けとなりました。

新全国犯罪被害者の会の再結成

2022年には、新たに「新全国犯罪被害者の会」が発足しました。代表幹事の岡村勲は、被害者の生活状況が依然として厳しいことを理由に再結成を決めました。新あすの会は、加害者からの損害賠償が支払われない現実に対して、政府に被害者支援庁の創設を求めるなどの活動を行っていく予定です。

まとめ

全国犯罪被害者の会は、日本における犯罪被害者の権利を守るための重要なシンボルとなりました。その活動を通じて、法制度の改善や社会的な認知の高まりを促進し、2022年には新たな形で再び立ち上がりました。今後も新あすの会の活動には、留意が必要です。

もう一度検索