全国白バイ安全運転競技大会

全国白バイ安全運転競技大会

全国白バイ安全運転競技大会は、各都道府県警察および皇宮警察から選抜された白バイ乗務員が、その運転技能を競い合う大会です。この大会は、交通事故の防止、殉職者の抑制、安全運転技能の向上、隊員の士気高揚、そして全国の交通機動隊員の融和と団結を目的としています。

概要

1969年に警察庁の主催で始まり、第1回大会は三重県の鈴鹿サーキットで開催されました。一般財団法人全日本交通安全協会が主催する二輪車安全運転全国大会とは兄弟大会の関係にあり、全国白バイ安全運転競技大会の方が歴史は古いです。1993年からは、毎年10月初旬に茨城県ひたちなか市の自動車安全運転センター安全運転中央研修所で開催されるのが恒例となっています。ただし、2011年（平成23年）の第43回大会は、東日本大震災の影響で中止となりました。

競技種目は、バランス走行、トライアル走行操縦、不整地走行操縦（モトクロス）、傾斜走行操縦（スラローム走行）の4つに分かれています。女性は傾斜走行競技のみに出場します。バランス走行と傾斜走行には、交通取締業務で使用される通常の白バイが使用され、過去にはCBX750PやVFR750Pが使用されていましたが、第38回大会からはVFR800P、第44回大会（2013年）からはCB1300Pが使用されています。トライアル走行と不整地走行には、専用の競技車両が使用され、かつてはTLM220Rが用いられていましたが、2010年からはXR230から保安部品を取り外した車両が使用されています。

参加チームは、本部に所属する警察官の定数に応じて第一部と第二部に分けられます。第一部には、警視庁、茨城県、埼玉県、千葉県、神奈川県、愛知県、大阪府、兵庫県、福岡県のチームが属し、3名の選手の合計点数で団体成績が決定します。それ以外の都道府県は第二部に属し、2名の選手の合計点数で団体成績が決定されます。各競技種目ごとに減点方式で採点され、合計点数によって一部・二部それぞれの優勝チームが決定します。各種目別では上位3名、個人成績では全出場者の中で合計点数が最も高い者が優勝となり、上位10名までが表彰されます。

大会は広報イベントとしての側面も持ち、各種白バイや関東周辺の高速道路交通警察隊のパトカー展示会なども開催されます。また、県によっては覆面パトカーが展示されることもあり、全国の珍しい覆面パトカーを見ることができます。見学は無料で、駐車場も完備されています。

大会記録

過去の大会では、数々の記録が生まれています。

第42回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 静岡県警 佐野淳子選手が1000点満点
第43回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 警視庁 髙橋幸江選手が1000点満点
第46回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 愛知県警 﨑久保 千鶴選手が1000点満点
第47回大会 トライアル走行操縦競技: 悪天候のため中止
第48回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 警視庁 中前まどか選手が1000点満点
第50回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 愛知県警 岩出志帆選手が1000点満点
第51回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 警視庁 小池敦子選手が1000点満点
第52回大会 バランス走行操縦競技(男性): 神奈川県警 山本愛規選手が1000点満点
第52回大会 不整地走行操縦競技(男性): 警視庁 片桐涼太選手が1000点満点
第52回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 神奈川県警 坂元昭子選手が1000点満点
第53回大会 バランス走行操縦競技(男性): 福岡県警 石原敬斗選手・大久保智史選手が1000点満点
第53回大会 トライアル走行操縦競技: 警視庁 直江悠生選手が1000点満点
第53回大会 不整地走行操縦競技: 栃木県警 萩原慎也選手が1000点満点
第53回大会 傾斜走行操縦競技(男性): 福岡県警 大久保智史選手が1000点満点
第53回大会 傾斜走行操縦競技(女性): 神奈川県警 小俣あやめ選手が1000点満点
第54回大会 不整地走行操縦競技: 茨城県警 飯村勇紀選手が1000点満点

※2011年、2019年は諸事情により中止となりました。

参考文献

月刊オートバイ

関連項目

交通安全子供自転車全国大会
* 二輪車安全運転全国大会

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