高速道路交通警察隊

高速道路交通警察隊について

高速道路交通警察隊（こうそくどうろこうつうけいさつたい）は、各都道府県警察本部に所属する特別な執行隊であり、高速道路の交通監視や取り締まりを専門に行っています。一般道の交通機動隊とは異なり、高速道路に特化した業務を展開していることが特徴です。この隊は、アメリカのハイウェイパトロールに相当する役割を果たしますが、英語では「Expressway Patrol」または「Expressway Traffic Police Unit」として知られています。略称は「高速隊」と呼ばれています。

概要

高速道路交通警察隊は、主に高速道路上での交通違反を取り締まり、交通事故の処理、自動車逃走犯の追跡、事件発生時の初動捜査および遺失物の管理を担っています。隊の指揮官は警視、次のランクは副隊長として警部が任命され、隊長補佐や中隊長の多くも警部の階級を持つ者が配置されています。

この隊の管轄エリアは、通常の都道府県警察における管轄境界とは異なり、都県境を越えて最初のインターチェンジまで拡大されることがあります。また、「高速機動隊」という表記は誤解を招くものであり、特にプラモデルなどに見られる架空の名称で、実在しません。

車両

パトロールカー

隊員たちは、白黒の交通取り締まり用パトカーと、覆面パトカーを使用して機動的な巡回を行います。パトロールカーとしては、全国的にトヨタ・クラウンや日産・スカイライン、スバル・レガシィB4、トヨタ・マークXなどが利用されています。これらの車両は、速度違反や不審な動きをする車両に迅速に対応するために、3000cc以上の大排気量エンジンを備えています。主にセダンやスポーツカー型のモデルが選ばれます。

2001年頃までの主要なトランスミッションはマニュアルでしたが、最近ではオートマチック車が浸透しています。また、全てのパトロールカーには速度計測器やパイロン、発煙筒などの装備が整えられており、事故対応や交通取り締まり活動が行われます。

事故処理車

事故処理を主目的とする車両には、ハイエースやキャラバンといった積載性の高いワンボックスカー、また走破性と衝撃吸収力の高い大型SUVであるランドクルーザーなどが用いられています。

本隊・分駐隊・分駐所

高速道路交通警察隊は、インターチェンジにある料金事務所や高速道路会社の管理事務所に併設されて、本隊や分駐隊、分駐所といった組織を構成しています。例えば、北海道警察の本隊は、札幌市厚別区の札幌南インターチェンジ近くに位置し、東日本[[高速道路]]株式会社の敷地内に設置されています。分駐隊の隊長は、通常警部補や巡査部長が担い、大規模な都府県では警部が配置される場合もあります。規模の大小は本隊＞分駐隊＞分駐所という順になっています。本隊は必ずしも都道府県の県庁所在地に位置するわけではなく、例えば神奈川県警察の場合、川崎市宮前区の東京料金所に本隊が設置されています。

このように、高速道路交通警察隊は、高速道路における安全を確保するために、様々な業務を遂行し、交通の円滑な流れを維持する重要な役割を担っています。

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