全国統一オタク検定試験

全国統一オタク検定試験（OTAK）とは

全国統一オタク検定試験は、2005年に株式会社ビブロスが主催した検定試験です。「21世紀を担うオタクエリートの育成とオタク文化の発展」を目的に開催され、通称「オタク検定」として知られています。

概要

ビブロスは「オタクエリートの育成とオタク文化の発展」を掲げ、2005年7月に検定の開催を発表しました。当時、オタク文化への関心が高まっていたこともあり、Yahoo!ニュース、ニュースプラス1、R25、ロイターなど、国内外のメディアで取り上げられ話題となりました。

第1回試験では、1613名の受験者に対し合格者はわずか100名、合格率は6.2%という非常に高い難易度でした。第2回は、ビブロスが創刊した雑誌『オタクエリートNo.01』に問題が掲載されましたが、ビブロスの経営悪化（2006年に倒産）により、後続巻の発刊が見送られ、合格発表も行われませんでした。このため、オタク検定は事実上、第1回のみの実施となり、合格者100名という伝説的な検定として語り継がれています。

歴史

2005年7月：株式会社ビブロスが検定実施を発表。
2005年8月5日：「マガジンエルフィックスVol.5」にて第1回検定実施。
2005年10月5日：「マガジンエルフィックスvol.6」および公式Webサイトにて第1回検定合格者100名を発表。
2005年12月28日：「オタクエリートNo.1」にて第2回検定実施。
2006年4月：主催者の株式会社ビブロスが自己破産を申請。検定は事実上消滅し、「オタクエリートNo.2」も発行されず、第2回の合格者は総数さえ不明のまま終わりました。

試験内容

オタキングこと岡田斗司夫が指摘するように、オタクは高度で多様な知識を持っている必要があります。この検定も同様に、広範囲かつ難易度の高い問題で構成されていました。特に、株式に関する問題は、試験実施時点で回答が存在しないものもあり、高度な知識だけでなく運も必要とされるなど、工夫が凝らされていました。

試験は誌面上で行われ、受験者は雑誌に付属の回答ハガキに解答を記入して検定委員会に送付する形式でした。

以下に、実質的に唯一の実施となった第1回検定試験の内容を記述します。

検定試験の内容は、「学校同人春風予備校」・「東京動画大学」の両同人サークルの企画協力により作成されました。

出題範囲

第1問：オタク、アニメ文化
世界初のOVA、歴代著名泣きゲーの発売順、生徒会が登場しないアニメ、アニラジの名称とパーソナリティ声優の組み合わせ、コミックマーケットの各種ルール、国語的読解能力を試す問題など、計18問。
第2問：ゲーム
歴代「ドラゴンクエストシリーズ」の販売本数順並べ替え、歴代「ファイナルファンタジーシリーズ」主要キャラクター名のシリーズ登場順並べ替え、歴代家庭用ゲーム機の開発コードネーム名など、計8問。
第3問：秋葉原
秋葉原周辺の白黒写真と地図上の該当地区の組み合わせ、秋葉原の歴史に関する問題、「秋葉原でPCを自作したい」「バルク品を買いたくない」「同人ゲームと同人誌のどちらを買うか迷った」「深夜0時販売は夏は暑いし冬は寒くて嫌だ」などの心理的葛藤状態を記号で模式化する論理問題など、計3問。
第4問：数理
『ゴルゴ13』、『ワイルド7』、『らんま1/2|らんま1_2』、『ななか6/17|ななか6_17』、『十二国記』、『鉄人28号』、『NG騎士ラムネ&40』などの作品名に隠された数字を推定し、それらを加減乗除する計算問題など、計2問。
第5問：株式
* 当時経営統合を発表したばかりのバンダイとナムコ、そしていわゆる萌え株（ガンホー・オンライン・エンターテイメント、角川ホールディングス、ブロッコリー、マッグガーデン）の、試験1ヶ月後の8月26日における将来株価予測。計2問。

合格発表と合格者

合否判定は正答率と回答の到着順に基づいて行われました。回答にはコミケへの参加経験や秋葉原の地理・歴史に関する知識が前提とされていたため、地方在住者には不利な面がありました。実際、合格者100名のうち首都圏在住者が半数以上を占めています。

合格発表は、試験掲載号であるマガジンエルフィックスVol.5の2ヶ月後に発売されたマガジンエルフィックスVol.6に合格者名が記載される形で行われました。また、検定の公式サイトにも同様の内容が掲載されていましたが、現在はビブロスの倒産により閉鎖されています。

合格者名は、受験者が回答ハガキに記述した実名、または希望するペンネームで掲載されました。合格発表された100名のうち、約9割がペンネームで掲載されています。これは、当時オタクであることが社会的に不利になる可能性があったためとする意見がある一方で、ネタとして仮名で受験したケースも多かったという指摘もあります。

合格者名には在住の市町村名も付記されており、全国各地の合格者分布を知ることができました。合格者の居住地域は首都圏が多く、秋葉原から比較的近い住宅地が目立ちました。合格者100名のうち6名が、秋葉原駅までJR総武線で20分以内の千葉県市川市在住者でした。

合格者には、ビブロスから合格証書と合格証（テレホンカード）が送られました。

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