全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会

全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会：軽貨物運送のパイオニア

全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会、通称「赤帽」は、軽トラックを用いた運送事業を営む個人事業主たちが集う協同組合です。その歴史は、初代会長である松石俊男氏が鉄道の赤帽ポーターの働きぶりに感銘を受け、1975年5月に東京都練馬区で軽運送業の事務所を開設したことに始まります。同年9月には「赤帽軽自動車運送組合」として任意組合を設立、1976年には東京陸運局より協同組合としての認可を受けました。その後、全国へと支部を拡大し、1978年には全国組織である「全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会」が発足しました。

組織と発展

赤帽は、各都道府県に単組を置き、その下に支部や配送センターを展開する組織構造を持っています。関東地方では1都3県（東京、千葉、埼玉、神奈川）で1つの単組となっています。かつては北海道や熊本で事業停止や破綻を経験しましたが、現在は北海道では8つの単組に分かれ、熊本においても再編、再出発を果たし、全国的なネットワークを維持しています。

開業には車両購入費を含め、約120万円から200万円の費用が必要とされますが、車両はクレジットやリースを利用することも可能です。

事業内容

赤帽の事業内容は多岐に渡ります。宅配便の下請け業務、引越し、ルート配送、緊急貨物の配送など、個人事業主である運転手はそれぞれが営業方針を自由に設定し、独自のサービスを提供できます。重量物輸送や複数箇所への分割配達、細かい時間指定といった、大手宅配業者では対応しにくいニーズにも柔軟に対応できる点が強みです。

車両は主にSUBARU製のサンバーを使用しており、一部ではダイハツのハイゼットやホンダのアクティも使用されています。特にサンバーは赤帽専用に特装された車両で、SUBARU系列の桐生工業が製造を手掛け、高い信頼性と耐久性を誇ります。

宅配便業務では、ヤマト運輸など大手宅配業者と連携し、末端配送を担っています。佐川急便など、一部の業者とは直接契約を結び、制服を着用して業務にあたるケースもあります。また、地方ではバイク便が未発達な地域も多いことから、地方間の緊急貨物配送において重要な役割を果たしています。

運送料金は、時間単位または走行距離に基づいて計算され、荷主との相談の上で決定されます。都市部では時間制、地方では距離制となる傾向があります。引越し料金については、各単組で基準が異なります。

赤帽サンバーの独自性

赤帽で使用されているSUBARUサンバーは、長年に渡り、国土交通省の型式指定を受けた特別な車両として知られています。通常のサンバーとは異なり、エンジンをはじめとする多くの部品が赤帽専用に設計・強化されており、過酷な使用状況下でも高い耐久性を発揮します。特にスーパーチャージャー仕様は高い人気を誇り、中古市場でも高値で取引されています。赤帽サンバーのエンジンは、ロッカーカバーに「赤帽」の表記が施されるなど、他の車両とは明確に区別されています。

まとめ

全国赤帽軽自動車運送協同組合連合会は、長年にわたる歴史と独自の事業モデル、そして堅実な運営によって、軽貨物運送業界において重要な地位を築き上げてきました。個人事業主の自由度の高さ、きめ細やかなサービス、そして信頼性の高い車両と、それらを支える組織力によって、これからも発展を続けることが期待されます。

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