全国車いす駅伝競走大会

天皇盃全国車いす駅伝競走大会

天皇盃全国車いす駅伝競走大会（てんのうはいぜんこくくるまいすえきでんきょうそうたいかい）は、例年3月に日本の古都、京都の地で開催される、競技用車いすを使用した駅伝形式の陸上競技大会です。これは車いす陸上競技の一種であり、全国から集まるチームが、公道を含む特設コースでその技と体力を競い合います。

本大会の始まりは、1988年10月に京都で開催された第24回全国身体障害者スポーツ大会において、公開競技として車いす駅伝が実施されたことに遡ります。この試みが成功を収めたことから、独立した全国規模の大会として継続されることが決定されました。その翌年、1990年2月には正式に「全国車いす駅伝競走大会」と名を改め、以降、毎年途切れることなく開催され、国内における車いす駅伝の代表的な大会としての地位を確立しています。

大会コース

大会に使用されるコースは、京都市内の象徴的な場所を結ぶ設定となっています。スタート地点は国立京都国際会館前で、そこから京都市街を南下し、最終的には京都市西京極総合運動公園陸上競技場内のフィニッシュラインを目指します。コースの総距離は21.3kmであり、これは全国高校駅伝男子や全国都道府県対抗女子駅伝の復路コースとまったく同じ長さです。この21.3kmは以下の5つの区間に分かれており、各区間が異なる距離と特徴を持っています。

• - 第1区: 6.4km（国立京都国際会館前から京大前）
• - 第2区: 2.8km（京大前から烏丸下立売）
• - 第3区: 2.4km（烏丸下立売から烏丸紫明）
• - 第4区: 5.7km（烏丸紫明から西大路御池）
• - 第5区: 4.0km（西大路御池から西京極総合運動公園）

各区間の選手の走力だけでなく、次の走者への引き継ぎもレース展開において非常に重要となります。

競技規則と中継方法

一般的な陸上駅伝で用いられる「タスキ」を使用したリレー方式とは異なり、天皇盃全国車いす駅伝競走大会では、タスキを使用しない独自の中継方法が採用されています。定められた中継区域内で、区間を走り終えた走者が、次の区間を担当する走者の身体に触れることで中継が完了します。この方式は、競技用車いすを操作しながらのスムーズな引き継ぎを考慮したものであり、各チームの連携と技術が試される場面となります。

参加チームと編成

本大会には、全国各都道府県から最大2チームまでが出場することができます。参加チームは、登録選手7名以内で構成されなければなりません。選手の編成に関しては、性別を問わず男女混合チームとして出場することが認められています。これにより、様々な形態のチームが全国から集まり、競技の多様性と盛り上がりを創出しています。

表彰

大会で最も速いタイムを記録し、優勝を果たしたチームには、その栄誉を称え、天皇盃が授与されます。この天皇盃は、本大会が国内における車いす駅伝競技において、最高レベルの権威と格式を持つ大会であることを示しています。

主催団体

天皇盃全国車いす駅伝競走大会は、非常に多くの組織の共同によって開催、運営されています。主な主催団体としては、開催地である京都府と京都市をはじめ、日本のパラスポーツ全体を牽引する日本パラスポーツ協会、そして京都府身体障害者団体連合会、京都市身体障害者団体連合会といった障害者スポーツの振興に尽力する団体が名を連ねています。加えて、京都府スポーツ協会、京都障害者スポーツ振興会、ユース21京都、そして地域メディアである京都新聞社及び京都新聞社会福祉事業団も主催者に名を連ねており、これらの多岐にわたる組織の連携と協力によって、大会の成功が支えられています。

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