全国高校生短歌大会

全国高校生短歌大会（短歌甲子園）

全国高校生短歌大会、通称「短歌甲子園」は、岩手県盛岡市が主催する高校生を対象とした短歌の全国大会です。2006年から毎年8月下旬に開催され、全国の高校生たちが短歌を通して熱い戦いを繰り広げます。

大会の概要

• - 主催: 盛岡市
• - 対象: 高校生（高等専門学校3年生まで、中等教育学校後期課程在籍者、特別支援学校高等部在籍者）
• - 開催地: 岩手県盛岡市
• - 開催時期: 毎年8月下旬
• - 特別審査員: 小島ゆかり

大会の特徴として、盛岡市出身の歌人・石川啄木にちなみ、短歌が三行の分かち書きで表記される点が挙げられます。

競技方法

全国の高校から予選を勝ち抜いた21チーム（1チーム3名）が出場します。前年度の優勝校と準優勝校は予選免除となります。

• - 一次リーグ: 3校ずつ7グループに分かれ、リーグ戦を行います。各グループ1位の学校と、敗者復活1校の計8校が決勝トーナメントに進出します。
• - 決勝トーナメント: 8校によるトーナメント戦で、優勝を争います。
• - 対戦形式: 事前に創作した短歌と、当日出される題詠に基づいた短歌を、各チームの選手が交互に披露します。5人の審査員が投票を行い、勝敗を決定します。
• - 3位決定戦: 近年は行われていませんでしたが、第16回大会（2021年）では大会史上初めて実施されました。しかし、第17回大会（2022年）では再び行われていません。

団体戦の他に個人戦も行われ、個人作品の表彰も行われます。大会を通じて最も優れた短歌には「特別審査員小島ゆかり賞」、最も先鋭的な短歌には「石川啄木賞」が贈られます。

歴史

第15回大会（2020年度）は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、出場チーム数を10に限定し、書面審査による変則的な方式で開催されました。第16回大会（2021年度）は、出場チーム数が8とさらに減少しましたが、Zoomを用いたトーナメント方式で行われました。第17回大会（2022年度）は、3年ぶりに対面での開催となり、出場チーム数も21に戻りました。

著名な出場者

短歌甲子園は、多くの才能ある歌人を輩出しています。

• - 早川晃央（富山県立魚津高等学校）：歌人、第2・3回出場
• - 古畑恵介（加藤学園暁秀高等学校）：声優・俳優、第4・5回出場
• - くどうれいん（盛岡第三高等学校）：歌人・エッセイスト・小説家、第6回出場
• - 武田穂佳（盛岡第四高等学校）：第59回短歌研究新人賞受賞者、第10回出場
• - 郡司和斗（茨城県立結城第二高等学校）：第62回短歌研究新人賞受賞者、第11回出場

メディアでの紹介

テレビ岩手では、2019年に『金曜MOVE ぼくたちの夏もうひとつの甲子園』というドキュメンタリー番組が放送されました。また、村上しいこ氏による短歌甲子園をテーマとした児童小説三部作も出版されています。

• - 『うたうとは小さないのちひろいあげ』（第53回野間児童文芸賞受賞作）
• - 『空はいまぼくらふたりを中心に』
• - 『青春は燃えるゴミではありません』

関連情報

• - 牧水・短歌甲子園
• - 高校生万葉短歌バトルin高岡
• - 俳句甲子園
• - 甲子園の名がつく高校生大会一覧

短歌甲子園は、高校生たちが短歌を通して自己表現を行い、交流を深める場として、ますます発展していくことが期待されます。

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