『全怪獣怪人』とその後の『全怪獣怪人大事典』
概要
『全怪獣怪人』(ぜんかいじゅうかいじん)は、特撮番組に登場する怪獣や怪人を詳しく紹介した書籍で、
勁文社が発行しました。この書籍の初版は
2002年に発売されたものの、その後
勁文社が倒産したため、
2003年には英知出版から特撮番組の最新情報を追加した『全怪獣怪人大事典』が登場しました。ただし、著作権や版権の関連で、収録内容や構成が当初と大きく異なっています。ここではその『大事典』についても触れていきます。
本書の前身
本書のルーツは
1971年末に刊行された『原色怪獣怪人大百科』にさかのぼります。これはA3判の両面印刷された用紙を八つ折りにし、多数を箱詰めにした無綴じタイプの書籍でした。この初版では、1954年に公開された『
ゴジラ』から、当時の最新作である『
ミラーマン』まで、様々な特撮作品に登場した怪獣や怪人が紹介され、特撮ファンの間で大きな人気を集めました。この書籍は、
1972年以降毎年末に発売されるようになり、特撮に関する資料の基礎を築きました。
継続と進化
1974年には、豆本形式にリニューアルした『全怪獣怪人大百科』が登場し、
1975年にはロボットアニメを中心とした作品も取り扱うようになりました。このように対象が広がり、シリーズは続いていきました。特撮番組の本書は、
1984年の60年度版まで、なんと10年以上にわたり発行される、特撮文献の定番となったのです。特にこの大百科シリーズは、その後も特撮関連の書籍を多く生み出す土台となりました。
ラインナップと収録作品
『全怪獣怪人大事典』では、1950年代末から80年代末までの特撮番組が広範に収められており、特に昭和期の作品が中心です。収録された作品名は多岐にわたり、上巻、中巻、下巻と分かれて構成されています。特に、上巻には有名な特撮作品が多く再録されていますが、下巻には
東映や円谷プロ以外の制作による特撮作品が少なく、ページ数も制限されています。
再録の課題
『大事典』は、
勁文社版を元に構成されましたが、写真の掲載が減少し、文章のみでの紹介が中心となっています。これは写真料の高騰や権利関係によるもので、各作品の紹介に誤記も見受けられることがあります。また、重要キャラクターの紹介がが行われないこともあり、あくまで文字情報のみの提供となるなど、様々な課題もあります。
各巻の詳細
- - 上巻は2003年2月に発売されました。
- - 中巻は2003年3月に続いて刊行され、
- - 下巻は2003年4月に発売されました。特に下巻では、1950~60年代の作品が中心で、その他の作品も追加情報があまりないため、内容に制約があります。
特記事項
特定の作品について個別の記事は設けられていないものの、関連作品として『宇宙Gメン』や『ワイルド7』など、いくつかの作品がコラム形式で収録されています。また、
勁文社版下巻には『
仮面ライダー』に関する特集が存在しました。全体として『全怪獣怪人大事典』は特撮ファンにとって貴重な資料となり、特撮歴史の一頁を彩るものとなっています。